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【書評】大人達への失望 僕は中学校へ通うのをやめた

この本を読んで、共感した点と
残念に感じた点があった。

ネットでの評価はどうなんだろう?と
思って見てみたら、良い評価しかないのが
やや不自然に感じた。

これだけ過激な内容が書かれていたら、
ネットの民が黙っていないんじゃないか?

それとも、この著者の主張に
否定的な人は読んでいないだけ?

あっぱれ!と思うことは
たくさん書かれていて、特に
新型コロナ関連については共感できた。

私自身も、非科学的な騒動に、
早い段階からうんざりしている一人だったから。

日本中、いや世界中が狂っていると思っていた。

あらゆる人にあらゆる場でマスク着用を
強いる社会。

子どもの給食は黙食(もくしょく)。

ワクチンの年齢引き下げが行われている。

政府の言うことをうのみにする人や
自分の頭で考えず、指示された通りに
動く人の多いこと。

それらの点は著者と同じ意見なのだが、
私は著者の表現方法というか、
言いかたに引っかかった。

著者が理不尽な思いをたくさんしてきたのは
良く分かった。

悔しかっただろうし、悲しみや絶望の
気持ちでいっぱいだったと思う。

大人の一人して、心から誤りたいと思う。

それでも、
学校や自治体への言いかたというか、
表現方法が、私だったら自分の息子に
こういう言いかたはしてほしくはないと
感じる点が多々あった。

誹謗中傷に聞こえてしまうのだ。

本やネットなどパブリックな場では、
攻撃的な内容を発信してほしくはない、
と思ってしまった。

たとえば、

そもそも僕は同級生を友達とは思っていません。
テレビに出るヘンテコな大学教授はまともなことを何一つ言いません。

大人達への失望

こういう言いかたをされてしまうと、
「だから不登校は・・・」と
変なレッテルを貼られてしまい、
本当に伝えたかったことが
隠れてしまいそうなのだ。

学校や行政の対応は、
確かに良くなかったと思う。

それでも心の通った人間であるし、
パンデミックという非常事態が起きたときに、
冷静でいられる器を持っていなかったんだと思う。

新聞とテレビで報道される情報しか
持ち合わせていなければ、なおさらだ。

そして、
彼らにも立場があるし、生活がある。
職を失うわけにいかないだろう。

自分の信念がどうであっても、
所詮は国や自治体から雇われた公務員。

自由な言動を許された立場にはないと思う。

だからと言って、将来のある若者を
ないがしろにしていいとは決して思わない。

でも、彼ら個人が悪いんではなくて、
日本の社会の問題なんだと思う。

そしてその弊害は必ず、子どもに向かってしまう。

きちんとした自分の意見を持っていて
未来ある賢い中学生にここまで
言わせてしまう日本の社会を
なんとかしないと。

発売前から期待を寄せていた本だっただけに、
著者の主義主張や信念には共感したのだけど、
読んだあとはなんだかすごくモヤモヤした。


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