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秋分や天秤の針定まりぬ

二十四節気の【秋分(しゅうぶん)】に入ります。
秋分は太陽が秋分点を通過する日です。旧暦では春分が一年のはじまり、秋分で下半期へ折り返します。東洋的な思想では、陽のエネルギーが陰へとシフトする季節の変わり目です。

秋分は昼と夜との長さが同じです。これからは昼より夜が長くなり、秋の夜長が実感できます。

春分と秋分の太陽は、地球上のどこから見ても真東から昇り、真西へと沈んでいきます。世界の遺跡は、その時を合図に司祭をしてきました。スフィンクスは日の出を見すえ、モアイは日の出を見送りました。そのほか、アブシンベル、マチュピチュ、アンコールワットなど、太古の遺跡では、今でも光の時を刻んでいます。

秋の六つある節気を三分割して、初秋〔立秋8月7日)、処暑(8月23日)〕、仲秋〔白露(9月8日)、【秋分】(9月23日)〕、晩秋〔寒露(10月8日)、霜降(10月23日)〕とします。
秋が深まっていきます。寒露前日の10月7日まで。

秋分の日をふくめた前後三日間が、「秋の彼岸」になります。お墓参りやお寺で法要をしたりする方も多いでしょう。彼岸の行事は日本独自のもので、インドや中国の仏教にはありません。日本古来の祖先をまつる信仰と、仏教が結びついたものです。もうすっかり日本の風習の中にとけこんでいます。

秋分Shuubun「Autumnal Equinox」
“The length of a day and night becomes nearly equal.”
September 23-October 7
〔equinoxs;昼夜平分時。length;長さ〕

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今日から七十二候の【雷乃声収】に入ります。
「かみなりこえをおさむ」と読みます。一年を72に分ける七十二候の46番目です。二十四節気「秋分」の初候になります。春分の初候の「雷乃発声(かみなりすなわちこえはっす)」(3月31日)に対応しています。9月27日まで。

夏の間は雷鳴を轟かせていましたが、もう鳴らなくなりました。入道雲は消え、うろこ雲が見られるようになりました。本格的な秋の訪れです。

雷乃収声 Kaminari sunawachi koe o osamu;
“Thunder ceases.”〔cease;やむ〕
September 23-27

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曼殊沙華
秋の彼岸に また会ふは
赤き噴水 天上の花

「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、彼岸花の梵語(サンスクリット語)で、manjusakaといいます。「天界に咲く赤い花」という意味です(法華経から)。
稲作とともに中国から渡ってきました。
地下の鱗形(りんけい)には毒がありますが、デンプンも多く。飢饉のときにはすりつぶして水にさらし、毒抜きをしてから非常食にしました。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖を望む草庵にて
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