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春の雨 畑穀物 うるうると

二十四節気の【穀雨(こくう)】に入ります。

たくさんの穀物をうるおす、春の雨がふるころになりました。5月4日まで。

この恵みの雨は、「穀雨」のほかにさまざまな名前があります。「瑞雨(ずいう)」穀物をはぐくむ雨。「甘雨(かんう)」草木をうるおす雨。「催花雨(さいかう)」早く咲いてと花をうながす雨。「菜種(なたね)梅雨」菜の花の咲くころに降ります。「春霖(しゅんりん)」春の長雨です。

二十四節気で雨の字が入るのは「雨水 2月19日」と「穀雨」だけで、共に春の季節です。

Kokuu 穀雨 「Grain Rain」
“Spring rain showers for grains.”
〔grain;穀物 shower;にわか雨〕 April 20-May 4

春の節気は六つあり、三つの時期に分かれます。
初春:立春(2月4日) 雨水(うすい 2月19日)
仲春:啓蟄(けいちつ 3月5日) 春分(3月21日)
晩春:清明(せいめい 4月5日) 穀雨(こくう 4月20日)

いよいよ春の最後となりました。この穀雨のなかに夏をつげる八十八夜(5月2日)がふくまれます。5月5日(立夏)からは夏です。

春雨は穀物の種子の生長を助けるので、種まきの好機です。田畑の準備が始まります。ちょうど八重桜の咲くころ。
春大根、カブ、ホウレンソウ、玉レタス、エダマメ、そしてことし初めて葉の軸が赤や白のスイスチャード(西洋ふだん草)をまきました。これからが楽しみです。

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七十二候の【葭始生】に入ります。

「あしはじめてしょうず」と読みます。七十二候の16番目で、二十四節気「穀雨」の初候です。4月24日まで。

葭が芽を出し始める時期です。つんつんととがった緑の芽が、水面から顔をのぞかせます。昔はこの葭芽(あしかび)を食用にしたそうです。

葭始生 Ashi hajimete shōzu “First reeds sprout.”
〔reed;葭 sprout;芽が出る〕 April 20-24

葭は、葦、芦、蘆とも書かれ、平安時代までは「アシ」でした。「アシ」が「悪し」に通じるとのことから、「ヨシ」とも呼びます。

神話(日本書紀・古事記)では、日本国土を「葦原中国(あしはらのなかつくに)」と呼んでいます。天上界の「高天原(たかまがはら)」、地下の「黄泉国(よみのくに)」に対するものです。天上界から見て、葦が生い茂る未開な土地は、これから開き治めるべきところとみなされていました。

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写真は、この春たくさん見た椿です。

雨やみて つばき木の春 見おさめか
 白紅絞り 一重八重まで

「椿」は、日本でつくられた国字です。ほかに「峠(とうげ)」「畑(はたけ)」「辻(つじ)」「凩(こがらし)」「凪(なぎ)」「躾(しつけ)」「鰯(いわし)」など。いかにも日本を感じますね。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖を望む草庵にて
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