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「サントリー伊右衛門」。独自の価値をさらに高めて、販売量を大幅に伸ばす。

みなさんこんにちは。和田康彦です。

サントリー食品インターナショナル(株)は、サントリー緑茶「伊右衛門」において、発売以来最大のリニューアルを行い、2020年4月14日から全国で発売しています。

サントリー緑茶「伊右衛門」は、創業200年以上の歴史をもつ、京都の老舗茶舗「福寿園」の茶匠が厳選した茶葉を使用した本格緑茶です。2004年の発売以来、幅広いお客様の支持を受けて、2019年には累計販売本数100億本を突破しました。

近年は、生活スタイルの変化により、緑茶のRTD(Ready To Drink)=蓋を開けてすぐにそのまま飲める飲料が進行しています。そうした中、「伊右衛門」は、お客様に“淹れたてのような緑茶”を楽しんでもらえるペットボトル緑茶を目指し、中味・パッケージを大幅にリニューアルしました。

●独自の価値創造「機能的価値」

今回のリニューアルでは。香り成分や旨味が豊富と言われる一番茶を「伊右衛門」本体史上最大の比率で使用し、そのよさを最大限に活かした焙煎技術と抽出方法で、淹れたてのような「豊かな香り・旨み」と「雑味のない穏やかな渋み」を両立しました。また、サントリー独自の技術で緑茶本来の鮮やかな緑の水色(すいしょく)を実現しています。

●独自の価値創造「デザイン=情緒的価値」

伊右衛門

鮮やかな緑の水色(すいしょく)を体感してもらえるように、ボトルを覆う面積が少ないロールラベルを採用。また、600ml、525mlに関してはラベルをめくって緑の水色(すいしょく)を楽めるための仕掛けとして、ラベル裏やボトル中央部に招き猫や七福神など縁起の良い絵柄を配しています。

さらに緑茶本来の“鮮やかな緑の水色(すいしょく)”を最大限体感もらおうと、通常のフィルムラベルを外した商品「伊右衛門ラベルレス(首掛式ラベル付)」を数量限定で発売。淹れたてのような色・味・香りを目指してリニューアルした新「伊右衛門」を、視覚から楽しんでもらうサントリーらしいアイデアです。

リニューアルした伊右衛門は、以前にもまして人気が高まっており、7月の販売量が前年同月比4割増となるなど好調な売れ行きが続いています。これを受けて同社は7~9月の生産量を前年同期に比べて5割増やす計画です。

清涼飲料は新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響などで自動販売機やコンビニでの販売が落ち込んでいます。飲料総研によると、1~6月の販売数量は8億2850万ケースと前年同期比8%減少したようです。自販機は18%減、コンビニは10%減と特に苦戦し、梅雨明けした8月以降も前年割れが続いています。


ペットボトル緑茶飲料のブランド価値は、美味しさという機能的価値とパッケージやCMなどのデザイン(情緒的)価値の掛け合わせで生まれます。

今回のリニューアルでは、美味しさ=機能的価値を従来にもまして高めるとともに、ユニークなアイデアでデザイン価値も高めることで、伊右衛門がお客様に提供する価値が飛躍的に高まったといえます。

サントリー伊右衛門は、価格に見合った価値ではなく、価格を大幅に超えるあっと驚く価値を提供することで、圧倒的なブランド力を発揮しました。
独自の価値を磨いてお客様を笑顔を大きくすることが、ブランディングの醍醐味です。

画像出典:サントリーホームページより

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