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【 シリーズ 】 大学職員の仕事( 8 )



大学職員といえば学生窓口のように学生と接する業務をイメージされることが多いが、教員と接する仕事も多い。各種連絡のやり取りや提出してもらう書類など、日々、様々なコミュニケーションを取りながら業務を進めている。

大学は教壇に立って授業等を行う教員と、教員がそれらに専念できる環境をつくるために事務方の業務を一手に担う事務職員の両者が両輪となって成り立っている。

このように教員とのコミュニケーションは必須だが、コミュニケーションをとる上で苦労する場面もしばしば出てくる。そこで今回は、

「教員とのコミュニケーションで困ること」

これを3点書きたいと思う。
(あくまで自分の経験です)

●① 締切を守ってくれない


1つ目は事務職員に提出してもらう提出書類等の締切を守ってもらえない教員が毎回、何人かはいるということである。

時間割編成や期末テストの日程調整など、締切厳守の業務も多い中、締切を守ってもらえないのはかなり困る。

特に困るのが期末テスト後の成績の提出である。
これは教員にしかできない仕事かつ学生にあらかじめ成績発表の日を通知してあるので遅延は許されない。

何度督促しても出してもらえない場合は、研究室まで押しかけてその場で書いて提出してもらう。

何か書類の提出を求める場合は締切を守ってもらえなさそうな教員(だいたい毎回同じ数人の教員)をあらかじめピックアップしておき、それらの教員には期限内に何度も念押しの督促をしておくなどの工夫が必要になる。

●② 職員との情報共有不足


これは休講通知や教室変更通知などに多いのだが、事務職員を通さず、授業の中で学生に通知している場合がよくある。

こうした通知は必ず事務職員を通してもらうようお願いしている。というのも、通知した日の授業を休んでいた学生が後日に、
「いつもの教室に行くと先生が来ないのですが今日は休講か教室変更ですか ? 」
と聞かれても、答えようがないからである。

そうした場合は教員の研究室に内線をして(運良くつながれば)休講の確認をしたり、学生に授業に出ていた友人等に聞いてもらう他ないのだが、いずれも難しい場合はお手上げである。

「申し訳ないけど分からないです」と答えるしかない。民間企業であればクレームになるような話である。そうした意味で大学という狭い社会で生きている職員も教員も危機感が足りないと言われても仕方がない。

特に事務職員は学生が円滑に学業生活が送れるためにいるにも関わらず、それを果たせないことに情けなさも感じるのである。

●③ 外国人教員とのコミュニケーション


大学の規模にもよるが、1つの学部には数十人から百人以上の教員が在籍している。その中には主に外国語の授業を担当している教員もいて、中には日本語を話せない教員もいる。

そうした教員とコミュニケーションを取る際は外国語を用いる。主に英語を使ってメールで連絡を取り合うのだが、職員も特別に英語等が得意だったり、そうした訓練を受けているわけでもない。

それでも「できません」ではどうにもならないのが大学職員の仕事である。どうしたかというと、恥ずかしながら英語の翻訳サイトを使わせてもらった。

これまでの人生で習った英語の知識を総動員し、何とか意味の通じる文章を書き送り、その返事として教員から返ってきた英文を時間をかけて解読した。

大学職員になって英語を使う機会があるとは思わなかったので、戸惑い、苦労はしたが、自分の書いた英語が相手に通じた時の何とも言えない喜びも感じることができた。

こうして就職してからも仕事の中で日々学んでスキルアップしていける点も大学職員という仕事の魅力と言えるだろう。

※※※

今回紹介したように、大学職員の仕事の中にはコミュニケーション能力が必要とされる業務も非常に多い。

同僚とのコミュニケーションだけでなく、教員という、また立場の異なる人と「持ちつ持たれつの関係」を築くことが何より大切になってくるのである。

日頃から真摯に仕事に取り組み、周囲の信頼関係を地道に勝ち取っていくことが何よりも大切になってくる仕事と言えるのである。




また、色々な業務について書いていきます。
多くの方に分かるよう言葉に気をつけて書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。




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