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成人式の思い出、オトナって何 ?

新成人の皆さま、おめでとうございます。
今日はどんな1日だったでしょうか ?
成人になった実感はまだ湧かないのではないでしょうか。

式や同窓会に参加できた仲間だけでなく、既に仕事をしていて来られなかったり、何らかの理由で来られなかった人にも思いを馳せられる皆さんでいてほしいと思っています。

僕は生まれ育った神戸で成人式を迎えました。
大きなサッカースタジアムを貸し切り、神戸の新成人、約1万人が集まる大規模なものでした。

覚えていることといえば、前夜に熱が出て当日、寝坊してしまい、式に参加できなかったこと。同窓会でビールをむちゃくちゃ飲んで意識を失ったことくらいです。

成人になった実感なんて、これっぽっちも湧いてきませんでした。むしろ、「オトナになるってどういうことなんだろう ? 」と思い始めたのがこの頃です。
そしてその明確な答えは今も思いつきません。

ただ1つ、少し最近気づいたこととして、「オトナ」なんていないんじゃないかということです。みんなオトナのフリをした子どもなのではないかと。

オトナと言われる年齢になっても、好きな曲は案外、子どもの頃と同じだったりします。

誤解や矛盾や騙されることも、これまでと同じように経験していく。嫌いなものや人に出会うことも、どうしようもなく切ないことに直面することも、自分の人生の質を問うことも、全部。

僕が小学生低学年のころ、先生に「小さな世界」という歌を教えてもらったことがあります。
「得意なことを伸ばしていけば、みんなどこかでだれかとつながれるんだよ」という言葉とともに、今でもよく思い出す曲です。

この歌と先生の言葉に何度救われてきたか分かりません。そしてそうやって1つずつ困難を解決していく中で、「あぁ、自分の感性って子どもの頃と何も変わってないんだな」って思うのです。

誰かと誤解が生じた時は苦しいし、矛盾を感じる時は怒りも湧くし、騙されて絶望の淵に立たされることも、よくあります。

嫌いな人やものにはできるだけ出会いたくないし、切なさに胸が引き裂かれる思いなんて、もう二度と経験したくない。

僕も新成人の皆さんと何一つ変わらないのです。

ただ、自分なりに成長できたなと思う部分があります。それは1つ1つの物事に対して自分なりの意味を見出だせるようになったことです。

誤解や矛盾や騙される経験を重ねることで初めて成長できるということ。悔しい思いや恥ずかしい思いや失敗を経験しないことには成長することはできません。嫌いな人やものに出会うことも同じです。

切ない思いは本当に辛いし慣れることがないけれど、時間とともに、胸が引き裂かれる程に切ない思いをした理由を自分自身に気づかせてくれます。

人生の質は、学歴や職業や美醜などではなく、好きになれそうな人や憧れを持てる人、騙されてもいいと思う人と、どれだけ出会えるか、そして出会った人と何を話すことができるかだと思います。

新成人の皆さま、改めておめでとうございます。

自分の成長を褒めてあげられますように。
誤解や矛盾や騙されることさえ愛せますように。
切ないことも乗り越えられますように。

そして、自分の普段見ている景色を見違えるように素敵な色に染めてくれる人と出会えますように。
それまでの特別でない1日1日を普通に生きられる幸せを日々、感じられる自分でいられますように。


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 新成人の皆さまへ、虎吉より  2024年1月8日

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