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コンサルは「虚業」!?有名外資系コンサルと共闘した元フリーターが語る実態!Part2

前回に引き続き"コンサル"をテーマに書きたいと思います。

④ コンサルタントの特徴

【良かった点】4. 第三者からの意見という機能

会社員として働いている人たちのなかには、会社が設けている様々な「仕組み」に対して不満を持っている人も多いのではないでしょうか。でも、ほとんどの人はその仕組みの欠陥や不十分さを指摘しません。それは、「誰かが作った仕組み」だからでしょう。
例えば、経費申請のやり方が明らかに非効率的だったとしても、そのやり方に口を出すということは、経理部長に「おかしくないですか?」と言わなければいけない。そうなったら、多くの人は「まあいいか・・・」と妥協します。

こうした例からわかるように、同じ会社の社員同士だと、明らかな仕組みの不備も指摘がしづらいという問題があります。しかし、ここにコンサルが介入して「第三者から見ても・・・」と言ってもらえるだけでも、業務の見直しはグッと楽になります。特に経営層が雇ったコンサルだったら多くの管理職はそれに従いますからね。

【悪かった点】1. 俺、コンサル感

これは【良かった点】の反動、副作用とも言えるものだと思います。彼らは入社時の研修や先輩らの立ち振る舞い、なんなら就職活動中の業界研究を通して得た「コンサルタントってこんな感じでしょ」というイメージを真面目に再現しようとします。
おそらく、「MECE」や「ゼロベース思考」のような、コンサルタントが身に付けるべきとされている思考法やフレームワークが頭のなかに埋め込まれているのでしょう。
しかし、そうした武器も「鬼に金棒」になることもあれば「豚に真珠」になることもある。現場経験を積み、慣れがなければ十分には使いこなせないということではないでしょうか。

Part1で書いた若手の人たちの立ち振る舞いはそうした経験不足が招いたものだったように思います。

【悪かった点】2. 最終責任の所在

これは当然と言えば当然ですが、コンサルタントはあくまでも事業・プロジェクトの支援を行う立場であるということです。システムコンサルでも業務改革コンサルでも、見積書に書かれるのは「〇〇システム導入”支援”」や「〇〇”コンサルタント料”」など。仮に事業が頓挫したとしても、最後に責任を負うのはユーザ企業側です。

⑤ プロジェクトはどうなったのか

私がコンサルと一緒に進めていたプロジェクトは結果的にうまくいきませんでした。”私が”というよりも、コンサルが関連した他プロジェクトも軒並み頓挫。結果的に、彼らに対しては高額なフィーだけを払い、成果はほぼゼロだったというわけです。

それはなぜか。

ユーザ側である我々に”やる気”がなかったからです。

仮に、倒産間際の中小企業に経営コンサルティングが介入して、説得力ある事業プランや業務改革プランが提案されれば、社長も乗るし、現場も「やろう!」という気になるでしょう。会社が倒産すれば自分の生活がままならない、大げさに言えば命がかかっているからです。

しかし、当時の私が働いていた会社は大企業として一定の事業規模を保っており、業績が著しく悪化しているわけでもありませんでした。社員は依然として700万円~800万円の安定した高収入を得ている。今やっている仕事のやり方を変えずにいれば、こんなに楽なことはないのです。

現場社員が乗り気にならなければ、管理職、延いては経営層が尻を叩いてやらせるという考えもあるでしょう。現にこのプロジェクトには管理職も参加していたので、それをやろうという気はありました。しかし、最上層部である取締役会で発せられた100の覇気は、執行役員レベルになると80になり、部長クラスにいくと60に・・・。現場社員までいくと、「上がくだらないこと言っているわ」みたいな空気が漂っています。縦に長い組織階層が、示達の威力を削いでしまっていたのです。

いや、そんなときこそ、本来経営層と社員の一体感や企業ビジョンへの共感がモノを言います。会社が志す社会貢献への意思や顧客ファーストの理念などなど。経営層と社員がビジョンを共にできれば、細かいイザコザはあれど、最後はうまくいくはずです。

しかし、当時の会社にはそうした共感も一体感もなかったのです。

私はコンサルと一緒に各部門を回りましたが、現場社員は決して協力的とは言えない状態でした。現場社員というか、そもそも管理職の人たちも、最初から「やりたくない」「うまくいくはずない」という態度が顔に出ていたのです。


⑥ プロジェクトが失敗に終わって

予算削減のプロジェクトが失敗に終わり、私は一部の部門に謝罪に出向きました。

想像していただくとわかると思うのですが、30歳そこそこの若手が、他部門に介入して、「あなたの部門の予算、ムダがありますよね?」と言って回っていたのです。そして、何度もヒアリングに時間をとったり、ベンダーに相見積もりをもらったりと、現場をかき回したわけです。

当然、会社の指示でやったことではありますが、現場社員はそう見てくれません。

一方で、コンサルタントとの最後の打合せでは

「我々は契約上も最終責任を負わないことになっているので」

という主旨のことを、早口で懇々と説明されました。

私は

「そんなことはわかってます。だから私は一人で〇〇部にも謝罪に行ったんです。逆にそんなことをわかっていないと思われるのが残念です。」

みたいなことを言ったことを覚えています。


⑦ コンサルは「魔法の杖」ではない

このプロジェクトはコンサルのせいで失敗したのでしょうか。

私はそうではないと考えています。

彼らにクレームを入れるとすれば、プロジェクトの進め方があまりにお粗末だったとか、予算は削減できたが、その影響で別の部分に悪影響が及んだ(分析が不十分)とか、そんなことでしょう。でも当プロジェクトはそうではありませんでした。

どんなに丁寧な結婚相談所でも、本人に結婚意思がなければ成婚しません。
強力な拳銃でも引き金をひかなければ、ただの鉄の塊です。

彼らは優秀で、展開する事業を支える「杖」の役割を果たすでしょう。
しかし、振るだけで状況を180度ひっくり返す「魔法の杖」ではないのです。

世の中でコンサルが「虚業」だと言われているとすれば、ユーザ企業側の”使いこなす”能力にも、その責任の一端があるのかもしれません。

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