ダンジョンマップ
不思議のダンジョンシリーズのゲームをご存知だろうか。トルネコや風来のシレン、ポケモン不思議のダンジョンなどのローグライクゲームである。
※トルネコはアマゾンだと中古しかない
これらのゲームはダンジョンが毎回変わるという特徴がある。ダンジョンに潜るとマップが表示されるが、行ったことのある場所しかマップとして表示されない。
高難易度のダンジョンになると視界も限られ、どこに何があるのか、どこに敵がいるのかもわからない。オートセーブシステムになっていてやり直しができないうえ、ダンジョンで倒れると持っていたアイテムも基本的に無くなってしまう。
私は人の人生にもダンジョンマップがあると思っている。何度も行ったことのある場所は地形や店の場所、売っているアイテムも覚えているし、自分に危害を及ぼしかねない敵がいる場所も覚えている。それらがダンジョンマップとして表示されている。
逆に一度も行ったことのない場所はマッピングされていない。どこに何があるのか、どこに敵がいるかもわからない。人生はやり直しができないうえ、年齢とともにダンジョンの難易度は上がっていくようで、レベルを上げたりさまざまなアイテムを駆使しないと先に進めない。
私たちはみんなレベル1で産まれ、ダンジョンに送り込まれる。初めは強い味方がサポートしてくれるが、だんだんと心もとないものになっていき、ある日「はじめてのおつかい」が始まる。
狭い視界でマッピングされていないダンジョンを歩き、突然出現するさまざまな敵と戦い、罠に掛かりながら先に進み、お腹が空けば食べ物を食べ、装備を整えながらマップを広げていく。
マップが広がりレベルが上がると、大抵のことには動じなくなる。それでもやはり行ったことのない場所に行くときにはドキドキするし、大切な持ち物が増えるほどリスクは取れなくなっていく。
私の人生はどこまでマッピングできているのか。ちゃんとレベルは上がっているのか、ゲームのようにはわからないが、最終地点に到着したとき、自分のダンジョンマップを眺めてみるのはおもしろいかもしれない。
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