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【ネタバレ注意!】読書感想:『死亡遊戯で飯を食う。 5』

※注意※

 この記事はタイトルにある作品及び同シリーズのネタバレありの感想文となります。内容にもガッツリ触れているので、これから読むという方は今すぐにブラウザバックをしてください。

 1巻について&ネタバレ無しの紹介文章はこちらの方になります。

 また、今回は5巻の感想となります。巻数の程お間違いのないようにお願いします。前巻のネタバレ感想はこちらの方になります。

はじめに

 お久しぶりです。なんやかんやで最新刊の発売から1か月と少しが経とうとしています。もうそんな前なのか。こちらの方も最近慌ただしく中々感想が書けていませんでした。でも4巻が5巻発売の直前だったことを考えると自分の中では割と速くに出せた方なのかな~と思ってます。え、言い訳はいい? ですよね。文字数も足りなくなりますし。それでは早速感想に移りましょう!


感想

フリッカリング・キャンドルフレイム

 このプロローグを読んで初めて『死亡遊戯』を読んだことを思い出した。根っからのファンだと思われてるかもしれないのだがお恥ずかしながら実はそうでもなかったり。確か2巻が出た辺りで見たWebの動画広告からです。なので大体1年ぐらいですかね? 絶対に面白いと確信して1巻2巻を同時に買い、連続で読んでました。そこまでだと時系列がシャッフル気味になっているからずっとこのスタイルでいくのかな~と思ってた。流石に3,4巻辺りで時系列に乗ってきて、「やっぱシャッフルは力量いるよね~」とか思いつつあった所から意表をついてきたのがこのゲーム! 目次に回数が書いてないことも相まって前情報なし、更にカラーイラストも飛ばした方はある種の叙述トリックを味わったんじゃないかな。極々少数派なんだろうけど。

 まだプレイスタイルを確立してない頃の幽鬼は物腰含めて新鮮だった。この頃でいくつぐらいなのかな? かなり幼く感じた。それでも的にされたなら逆に標的にしてくるやつを倒してしまえばいいという過去のゲームでも何度も見かけたような作戦を無意識ながらやっていたのはマジで才能だと思った。そりゃ伝説級のプレイヤーに声を掛けられるわけだ。

 あと個人的には2回目のアイドルゲームがちょいとばかし気になってる。いつか書かれないかな~。

ティーチャーズメランコリー(47.5回目)

 殺人ゲームの修行回、一体何が待ち受けているんだ? と前情報から気になってた回。最初から最後まで飽きが来ず面白かったがああいう展開になるとは思いましなかった。もっと地道なトレーニングかと……私もまだまだ頭が堅い。ゲーム外だからこそできるギミックも良かった。実際のゲームでも類似技術はあったかもしれないけどこういった応用の効かせ方は手作り工作っぽい趣もある。

 あとは何と言っても鈴々リンリンさん。とても愉快な方でした。今回の一件ウッキウキだな~楽しそうだな~と思いつつも中盤からがさぁ……プレイヤーの引退は色々あったけどあれはツラすぎた。そんでもって今サブタイトルを確認したときにティーチャー"ズ"と複数形表記になってることに気が付いて悶えてる。

ロワイヤルパレス(62回目)

 いやはや最初に情報を取得したときはびっくりしちゃったよ。もう折り返し越えちゃったのか⁈ ってなってた。しかも記念すべき50回目が大幅に過ぎ去った状態ときた。読み終わってみるとリミットギリギリまでひたすらに頑張ってきたのかな~と思ってしまった。実際はもっととんでもないことになってたけど。『死亡遊戯』はゲームに手馴れた幽鬼の存在という安定感がある種のセオリーだと思い込んでしまっていた。それを見事なまでに崩された。さしずめ土台から崩壊するジェンガのよう。

 衣装は勿論の事ゲームルールも興味深かった。参加者の人数・最低限の死亡人数も最近収録されてた話の中では多かったイメージ。あ、でも〈ハロウィンナイト〉はどっちも不明か。それ抜きにしてもここの業界も〈キャンドルウッズ〉のあれから持ち直してきたのかな?

 あとこのゲームで触れずにはいられないのはキャラの個性。今回も参加人数に比べてスポットの当たる人が少ないからその分の密度が濃いったらありゃしない。尸狼シロウさん良いキャラしてた。序盤の軽いモノローグが個人的に好み。それと、え、本当に前回出てた? と疑ってごめんなさい。玉藻タマモちゃんの立ち回りも想定外で面白かった。カラーの立ち絵だけじゃ疑問しか浮かばなかったけど読んでいく内に納得しかいかなくなる。

 最後にもう1つ。最後が……もうさぁ……。爽快感や安堵よりもやるせなさしか出てこなかったのは今回が初めてだったよ。アニメだったらこの回のEDはカットされてそう。1対1のシステムと幽鬼のコンデションが生み出した奇跡的な悲劇。それにしても玉藻ちゃんがガチ初心者だということを未だに疑ってしまう。初めて彼女のクリア回数が出された時「え、少なっ!」って叫んでしまった。一体このゲームが彼女にとっての何回目になったのかも気になるけどこのまま明かされないのもまた1つの味かもしれない。

カム・フル・サークル

 「衝撃のラスト」という言葉はこの巻の為に用意されていたのかもしれない。それほどまでに強い衝撃を受けた。詳しいことは控えるけど、今回である意味幽鬼の弱さというのが浮き彫りになってきたからそれとどう向き合うのかが今後の課題になってくるのかもしれない。〈ロワイヤルパレス〉、特に最後の対戦相手は大きな傷、あるいは呪いとなり得るのかもしれない。

全体を通して

 5巻をメタ視点で振り返ると新たなステップと原点回帰、両方を感じ取れる1冊だったと思う。

 最も大きい変化は巻末の解説が無くなったことだろう。初めの頃は私がまだ新作ラノベに疎かったこともあってこういうものかと何となくで受け入れていたが、今になってこれは『死亡遊戯』の特徴の1つだったのかもしれない。賛否両論の受賞作という触れ込みで世に出されたという本作。ラノベらしからぬ内容ながらもシンプルで独特な世界観は嵌ると癖になる。その面白さをもっとたくさんの人に知って欲しいという強い思いが『死亡遊戯』の解説コーナーを生み出したのかもしれない。その成果は先日の『このラノ2024』の結果として如実に表れた。手押し車の最初の1押しはここに成功したのだ。勿論、これは私の勝手な考えに過ぎないのだが。それでも新人賞受賞作の未知なるジャンルをここまで引き立て、広がったというターニングポイントと考えてしまう。

 原点回帰はエピソード毎に挟まる世界観設定の頁だ。気のせいかもしれないがかなり久々な気がする。1巻からあった師弟制度についに軸を置いた5巻。一見して回想にも等しいプロローグもこのテーマに合致していた。幽鬼の個人主義の影響で深い関係の現役プレイヤーの存在は今までなかった。それらが彼女の視界に入ってくることで原点ながらも新たな色があったのかもしれない。それほどまでに『死亡遊戯』における師弟とは重要なものだったのかもしれない。あと白士ハクシさんのプレイ方針凄い好き。あの人マジで連勝記録狙ってたんだな……あとびっくりするほど当時の幽鬼とかみ合ってない。

さいごに

 ごめんなさい、最後の所妙にませてしまったせいで文字数がトンデモないことに。他にも書き洩らしあるしもう少し思ったこととかあったんだけど今回は一旦区切ります。それにしても今回のターニングポイント巻は半端なかった。ここからクライマックス入りますよって言われても信じちゃうぐらい。やだあと10巻ぐらい欲しい! 他のキャラ視点の番外編でもいいから!

 次に焦点が当たるゲームが何回目になるのかも気になるけど、ついに明かされるデビュー戦からも目が離せない。体操服はハーフパンツなのかブルマなのか……。情報が明かされるまで楽しみに予想しておこう。

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