見出し画像

【コーヒーが冷めないうちに】~今を生きることが大切~

大切な人が自分を忘れてしまったら

この小説は、
「コーヒーが冷めるまで、過去に戻れる喫茶店」
が舞台になっています。
でも、「現実を変えることはできない」というルールも存在します。

私は、第2章の「夫婦」というお話がお気に入りです。

すると、房木は、高竹の顔を見上げ、
「……どこかでお会いした事、ありましたっけ?」
と、申し訳なさそうに言った。

「コーヒが冷めないうちに」(著:川口俊和)より抜粋

これは、認知症のご主人が妻のことを忘れるお話でした。

「過去に戻れる」方法が本当に存在したら


「私がもし、妻の立場だったら、どうするだろう」
と考えました。

たぶん、何度も何度も、過去に戻ってしまう気がします。

大切な人に、「他人」と思われていることは、とても悲しいことです。

それがゆえに、
「大切な人」が「自分を認識している」ことは、
とても嬉しいことに違いありません。

でも、その行為が
今のご主人に対しての
「現実逃避」
にならないかと心配にもなると思います。

過去に戻れることへの安心感や幸せから、
現在や未来をおざなりにしてしまう可能性もあると思うのです。

今を大切に生きるということ

この小説は、過去の「重要な時」に一回だけ戻ります。
過去に戻った登場人物は、
後悔をなくすために、相手の想いと向き合います。
そして、その経験が今後の生きる指針になります。

この小説は、
「現実とどう向き合うか」について考えさせられます。

そして、「心の持ち様が生きる上でいかに重要か」
ということも教えられた、とても素敵な作品でした。

私も、大切な人と後悔のないように、
「今を大切に生きたい」と思いました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?