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みっきーのリアル登山者の端書き#786『根の深さ』

とある本を読んでいた時に、「条件が揃えば木の根の深さは70mにも至る」という記述がありました。

直感的にかなりとんでもない数字だったので、少し根の深さについて調べてみました。
地方独立行政法人北海道立総合研究機構さんのWebページの中に、いくつか樹高と根の深さを示した資料があったので見てみると、

イチイ(植栽木)樹高2.1m 根の深さ約1m
アカエゾマツ(植栽木)樹高3.2m 根の深さ約50cm
トドマツ(天然木)樹高5.5m 根の深さ約2m
カラマツ(植栽木)樹高3.1m 根の深さ約1m

といった数字になっていました。
https://www.hro.or.jp/upload/4555/kiho59-4.pdf

日本の時は海外と比較して山がちで土壌が浅いと思われるので、自然と根も浅いものが生き残っているのかもしれません。
ですが世界で一番大きい樹種であるアメリカのジャイアントセコイアは数十mまで生長しながらも根の深さは2m前後であることから、必ずしも土壌と根の深さが相関しているとは言えなさそうです。

根の深さというのは地面の中で測定が難しいので、特に資料が少ないものではありますが、70mの深さの根の資料を見つけることができませんでした。
ただ、面白いことに同じような情報を聞き、疑問に思った森林ジャーナリストさんはいらっしゃるようです。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2020/11/post-c3ee80.html

その情報のソースをたどっていくと、海外の資料に行き当りました。
https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/28307789/

資料によると気候によって大きく変動があり、その中で砂漠地帯のものが深く根を張るという表記があったので、砂漠の緑化向けの植生について調べてみると中国のマメ科落葉樹では樹高3m程度にもかかわらず、9m近く根を張ることがわかりました。

70mの根の植物にはまだ行き渡りませんでしたが、疑問に思ってきちんと情報を精査・掘り下げていくと、少しずつ答えに近づくことができますね!

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