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第44回丹波篠山ABCマラソン
2024年3月3日、東京マラソンで盛り上がる傍ら、兵庫県丹波篠山市で開催された丹波篠山ABCマラソンに出場した。
惨敗に終わったものの、「記録」よりも「記憶」に残った非常に有意義な大会であった。
出場の経緯
きっかけは、私が今年一年間、参加させていただいた(一財)地域活性化センター主催の研修である。
1年間を通して行われたこの研修で、私は全国の地方自治体の職員たちと、苦楽を共にしながら自己を研鑽し、かけがえのない「同志」を得た。
この同志の1人に丹波篠山市から参加した職員がおり、毎年3月上旬に開催される丹波篠山ABCマラソンにスタッフとして参加していた。
お世話になったその人に会いに行きながら、丹波篠山市を堪能して、あわよくば自己ベストを更新しよう、ということで出場を決意した。
丹波篠山市について
丹波篠山市は、兵庫県と京都府の境にあるまちである。
まちの中心に篠山城跡があり、それを取り囲むようにして城下町の町並みが広がっている。
城の東側には、国の重要伝統的建造物群保存地区である河原町があり、その歴史的な町並みはどこか懐かしい、古き良き日本を感じさせてくれる。
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このまちを中心に盆踊りとして歌われる「デカンショ節」は、2015年4月24日、文化庁により日本遺産の最初の18件の一つとして「丹波篠山 デカンショ節―民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」という名前で選ばれている。
古き良き歴史と、独自の伝統文化が見事に融合された、とても良いまちである。
特産品は、丹波焼、黒大豆、黒枝豆、おすすめのグルメは、ぼたん鍋である。
大会前日まで
クリスマス前に左足甲を痛めてから、思うように走れない日々が続いた。
それでも、1月28日に参加した館山若潮マラソンを2時間46分24秒で走ることができたのは意外であり、ある意味良いポイント練習になったと、この時は感じていた。
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それから丹波篠山までは4週間あり、痛みは残るものの全く走れないほどではなかったため、それなりに走れていた。
時には仕事のストレスや天候による体調不良でダウンした時もあったが、1月末に比べればそんなに良くない体調ではなかったと思う。
午後1時46分のひかり号に乗車して丹波篠山市に到着したのは、午後5時30分であった。
それから、丹波篠山市の親友と合流し、丹波篠山市内をドライブしてもらいつつ、名物「ぼたん鍋」を食した。
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丹波篠山の黒豆を使ったスイーツも堪能でき、非常に充実した大会前夜を過ごした。
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レースの様子
レース当日の朝、遅くまでおもてなししてくれた丹波篠山市の親友たちがスタッフジャンパーを着て素敵な笑顔とともに出迎えてくれた。
親友たちと記念撮影を済ませ、私はレースの準備に入った。
スタートすると、割と先頭集団に近いところで走っていた。
1キロの通過が3分40秒を切るペース。
このままでは疲れてしまうと思い、余裕を持って走りたいと思ったが、その後もペースが落ちることなく、5キロの通過が18分25秒、10キロの通過が36分55秒であった。
この時、「やってしまった」と感じた。
予想通り、この後から走りに余裕がなくなり、一気にペースダウンした。
タイムよりも完走することだけを考えて走るのが精一杯だった。
特に20キロ以降、繰り返し続くアップダウンと向かい風に苦しみ、より一層ペースが落ちていった。
久し振りに、非常に辛いレースとなった。
それでも何とか完走できたのは、ゴール地点で親友が待っているということが励みになったからである。
応援してくれる人がいることは、本当に嬉しいことだ。
結果は2時間50分44秒。前半10キロのオーバーペースが響いた結果となった。
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ゴール後のこと
丹波篠山ABCマラソンの完走メダルは、「丹波焼」のメダルである。
地元の特産品を使ったメダルをもらうことは初めてであり、非常に味わい深いものであった。
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着替えを済ませ、無料で振る舞われた丹波篠山名物「しし汁」を食した。
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それから、お土産を買いつつ、城下町を散策しながら飲み歩き、食べ歩いた。
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夜には、一日運営で明け暮れていた親友たちと合流し、丹波篠山市にしかないファミリーレストランで打ち上げをした。
非常に充実した思いで、午後7時14分発の宝塚線に乗車して帰路に就いた。
「人とのつながり」が走り続けるモチベーションになること
撃沈に終わった丹波篠山ABCマラソンであったが、今までで一番充実して楽しいフルマラソンであった。
それは、勝手に走りに来た私を温かく歓迎して、最高のおもてなしをしてくれた丹波篠山市の人たちがいたからである。
そして、朝早くから大会が終了した後も、私たちランナーを温かく支えてくれる人たちがいるからこそ、気持ち良く走ることができるのだ、ということを改めて実感した。
本当に感謝しかない。
「人とのつながり」が走り続けるモチベーションになること、人とのつながりの偉大さを実感した二日間であった。
今回のように、1年間の研修でお世話になった地方自治体の職員の皆さんに会いに行くマラソン紀行を今後も続けていきたい、と考えている。
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