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かんぽ生命問題にひそむ闇

こんばんは。

会計事務所で働いていますおどりーまんです。

先日、電車の中で美人なお姉さんがいて僕は眠かったこともあり無意識のうちにガン見し続けてしまったのですが、

そのあと思いっきり目が合ってしまい背筋が凍りました。

美しいものにひかれてしまうのはなんなんでしょうね。生命の神秘。

それではスタートです。

かんぽ生命問題ってなんだ?

かんぽ生命の不正販売がニュースになっていましたが、何が問題になったかというと販売実績を上げるために二重契約もしくは契約の空白期間を作ってしまったことです。

スマホの契約で例えると、僕がお客さんであなたが販売員だったとして、契約が取れたらあなたに売上実績がつきます。

程なくして僕が「契約プランを変更したい」と言ったとします。

そのあと、新しい契約を結んだらあなたに売上実績はつくでしょうか?


保険業界では売上実績はつきません!(もちろん会社にもよりますが)

前の契約からあまりにも期間が短いと新しい売上実績にならないんですね。

でも、あなたは営業。会社や上司のプレッシャーもあるでしょうし、何より売上金額があなたの価値に直結します。

(お客様にどれだけ喜ばれたかは関係ありません)

するとどういう戦略が考えられるかというと、

①時期をずらして二重契約をして一定期間を過ぎたら最初の契約を解約する。

②前の契約から一定期間置いて再度契約を結ぶ。

これをお客様に知らせずにやっていたんですね。

二重契約は最悪お金を払い戻せば金額的にはお客様に損害はありません。

しかし、もしもお客様に不幸なことが起こっても契約が切られていたら保険金は払われません。保険に入った意味がありません。

お客様のために仕事をしているはずなのに売上実績を上げることが目的となってしまっていたのです。

本当にプロフェッショナル失格です。

それでもあえて誤解を恐れずに言えば「営業担当者の気持ちはわかります」。


数字に追われる悲壮

僕自身、今現在新人研修の一環として飛び込み訪問をさせられています。目的は社長と名刺交換をすることです。その獲得枚数を新人同士で競わせます。どうしても差が生じます。(ちなみに僕はドベ)

本人がどれだけ頑張っているかとか、苦労しているかとか関係ありません。獲得枚数こそが評価基準なのです。

逆に、強引に訪問して相手に迷惑をかけたとしても関係ありません。獲得につながったらそこが評価されるのです。

こんなことが起きてしまうのはなんでだと思いますか?


それはたぶん社内評価≠社外評価だからです。

営業の話に戻すと、お客さんからすこぶる評判がいいけど売上実績の低い人とお客さんの評価は低いけど売上実績の高い人を比べたら間違いなく後者が高い評価を得られます。(少なくとも従来の人事考課では)

日本は年功序列体質が根付いた(あるいは経営側が根付かせた)ために社外評価よりも社内評価が重視されがちです。

社内評価というとゴマすり野郎ばかりが得をすると思われがちですが、売上実績という客観的な指標であっても同じです。

売上の大きさは信用の根拠となるもののあくまでそれは法人レベルでの話です。いちセールスマンの売上の多寡はお客様には関係ありません。


でもビジネスが成り立つのは入金があるから…

今僕は新人なのでお客様がいません。(会計事務所では担当する会社が割り振られます)

もしも今日時点で「経理とか税金計算お願いしたいんだけど…」なんて言われようものなら光の速さで飛んで行き、ものすごい時間をかけてその会社に尽くすと思います。それは無収入という立場があるからです。


でもそもそも売上が少ないってどういうことでしょうか?

はっきり言って、人の役に立っていないということです。

だから良い商品、良いサービスを生み出す努力をするしかないんです。

ただ、ビジネスの恐ろしいところは必ずしも良い商品、良いサービスが売れるとも限らないことです。というより、そこそこの商品・サービスがやり方次第で売れてしまうのです。

それのどこまでが戦略でどこまでが不正なのかという話ですが…

自分自身も口の上手いセールスにのせられ商品を買ったこともあります。(今にして思うと割高だった…)

でもその彼はきっと評価されるのでしょうね。彼(ら)の稼ぎでビジネスは成り立っているのですから。

良い商品、サービスが生み出せない!けれど入金がないとビジネスが立ちゆかない…その歪みが今回の事件の原因の1つだと思います。


売上に縛られずにビジネスをできるか

法人にとっての収入はお客様から入ります。けれどサラリーマンの収入は一度会社を経由して入ってきます。だからこそ、社内評価が重視されすぎるんですよね。

けれど、たとえお客様から直接の入金があったとしても提供したモノの質=入金額ではありません。

このジレンマ状態を解決する方法は1つ、売上を気にしないことです。(もちろん一定数の売上は必要ですが)

売上を気にしないためには手元に余裕資金が必要です。

今、クラウドファンディングなどお金を集める仕組みが発達しています。だからこそ、法人は返済不要のお金をたくさんかき集めて、従業員には売上を上げることよりも品質を高める、付加価値をつける努力をしてもらい、結果的にその部分で利益を出す、という形にしてもらいたいです。


お客様の立場に立って考えれば当然です。

売り方がうまいとか、売上実績が高いとか、社内政治で優位とかお客様には関係がないですから。

良いサービス、自分に合ったサービスを受けたい。それだけなんですけど…難しいですよね~。


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