【詩】傷口の詩

嫌いなひとを思い浮かべながら、「嫌い」と呟くと、
どこか遠くにいるその人が、空を飛び越えるみたいに、本当に傷ついて、
それで、わたしも一緒に傷ついていた。
傷口は存在証明らしいです、
藻掻きながらそれでも生きるのが美しいらしいです、
だから、ありがとう。あなたが、わたしの嫌いな人でいてくれて。
あなたがわたしの嫌いな人でいる限り、わたしは、ずっと傷ついていられるよ。
きっと、あなたもわたしも、ずっと生きていられるよ。





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