【詩】六等星の詩

自分を信じるということは、ぼくにとって、ただ自分の心臓の音を聞くことでしかなかったよ。
研ぎ澄ますみたいに心音を聞いて、
すると、きみもみんなも優しい顔をする、
からだのなかで血液が巡り続けるだけのことが、どこまでも価値があるものらしかった、きみはきみのままでいいと言って、今日も嘘みたいな言葉が冷たい空気に混じっていた、一等星しか見えない都会で、誰かが、星が綺麗だねと言った、つまりは、ぼくたちのいる場所なんて、きっとその程度の銀河だったんだよ。
六等星がなければ、一生一等星でいられないくせに。
絶対的なんてきっと銀河の外にしかなくて、
ああ、だから、きみの銀河もぼくの銀河も、もう夜空ごと裂けてしまえよ


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