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「光る君へ」から男性メイクの変遷を考える

奔放な現代女性のイメージが強い吉高由里子さんが、複雑な人間模様を描いた古典〝源氏物語〟の作者「紫式部」を演じると知り、今年は大河を見よう!と年始に決めた。「光る君へ」を毎週見ている。

当時の男女の恋愛事情だったり「藤原道長」がどうやって最高権力者にのし上がったのかとか、政治の世界の残忍さ、紫式部はどんな思いで源氏物語を書いたのかなど、気になることがありすぎて、すっかりハマっている。

高校の歴史の授業で学んで以来、平安時代に興味を持つことなく過ごしてきたので、何もかもが新鮮だ。

特に注目しているのが、柄本佑さん演じる藤原道長のメイクだ。初登場のときの初々しく、良い意味で隙があった道長の顔は優しく穏やかな印象だったのに、恋を経験しドロドロとした政治にも片足を突っ込みながら成長した道長は、肌艶が増し、顔の輪郭もくっきり、眼差しも鋭く変化した(ように見える)。柄本さんの演技力とメイク効果の相乗効果だなぁと思う。

ところで、平安時代は男性もお化粧をしていたのだったかな・・・。疑問に思い調べてみた。

https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/cosmehistory/009.html

平安時代は、日本独自の化粧文化が発展した時代。白(白粉)、赤(紅)、黒(眉墨、お歯黒)の3点セットが定着した時代だが、これらを使っていたのは主に女性だった。

しかし貴族男性たちもまた、自らの権威を見せつけるためにおしろいで肌を白くしていたという記録が残っている。上流階級の権威の象徴、高貴な身分の証としてメイクが使われていたのだ。

さらに時代は進み13-14世紀になると、戦国武将たちは戦の前におしろいで顔を整え、勝負に挑んでいたと言う。顔がキマると集中力が高まることに気づいていたのだとしたら面白い。

令和の男性たちも、大事なプレゼンテーションの前にファンデーションやBBクリーム、コンシーラーなどを使い始めている。彼らは、肌のアラを隠しカッコよくなることで、目の前の勝負に集中できることを知っている。

さらに今なら、平安時代の赤、白、黒の3点セットに留まらず、多種多様な色彩のメイクに積極的にチャレンジできる時代だ。

こんな風に、俳優さんの顔を見ながら化粧文化の変遷に想いを馳せることができるのも「光る君へ」を見る醍醐味だ。



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