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進化論と心理学と脳科学的な人間学(Ⅰ私は誰か?)

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はじめに;


もしかしたら…
貴方は…
遺伝子に操られただけの…
だだのロボットかもしれない。

今からするお話は進化心理学と脳科学に基づいた『人間とは何か?』といったお話です。

難しい哲学的なお話だと勘違いしないでください。

私は根っからの理系人間です。
動物行動学や医学、進化心理学、獣医学の畑で育った人間です。
考えをこねくり回すような哲学は好きではありません。
そんなものは大金持ちの暇人に任せておきましょう。

私の話は科学的で単純な話です。
ほんの少しの間、この老人の話に耳を傾けてみてください。


万物の始まり;


いったい万物には始まりというものがあるのでしょうか?

20世紀の初めころまでは、宇宙は永久不滅で永遠の昔から変わらず存在するものと信じられていました。1929年のこと、ある天文学者が銀河の観察をしている時、それがまるで爆発後に飛び散る破片の様に互いに遠ざかりつつあることを偶然発見したのです。

これがきっかけとなって…
『ひょっとしたら、宇宙は永久不変なのではなく、膨張しているのでは…?』
…という推論(宇宙膨張説)に発展させていきます。
これが認識されるとすぐに…
『膨張しているなら昔の宇宙は今より小さかったはずでは…?』
『それなら動画を逆再生するように時間を巻き戻していけば、宇宙は必ず一点に収束するはずだ。』
…と、こう考えるのが自然ですね!

今ではこの宇宙が一点になる時点が万物の始まりと考えられており、『ビッグバン』と呼ばれるようになったのです。およそ、138億年前と推定されています。
全てはここから始まったのです。
ここから時間、空間、物質、エネルギーが生まれたのです。

そして、宇宙自体が一つの生き物であるかのように、膨張しながら進化(変化)し、自在に形態を変えていったのです。膨張する宇宙のゆらぎから銀河や恒星が生まれ、さらに恒星の周りに惑星が生まれていきます。身近な例で言えば、恒星が太陽、惑星が地球や火星、金星、木星などにあたるわけです。

それなら、ビッグバン以前はどうだったのでしょうか?
一般には『無』から始まったと考えられております。

この『無』の状態は人間の脳ではイメージすることはできません。
我々人間がイメージできるのはせいぜい太陽や地球など何も存在しない宇宙空間です。
しかし、『無』には空間すらないのです。これは人間の脳ではイメージ不可能なのです。

しかし、実際のところ、『無』から『有』が生じるのでしょうか?
そもそも物理の法則に反しますね!
しかし、物質も空間も時間もない状態では物理の法則は働かないのでは…?
ここで行き詰まってしまいます。
これが人間の論理的思考の限界なのです。

こういう時はどうするか?
そう、『神様』を登場させちゃいましょう。
困った時の神頼みってやつです。
『神様』に天地創造の役割を押し付けてしまえば、全て丸く収まるわけです。
かなり姑息な方法ですが、多くの人間にとって難しい物理の解説よりも、しっくりくる説明になるのです。

しかし、私は『神』などといった妄想上のヒーローを登場させたくありません。
ここからは物理学者の受け売りではなく、私の考えです。
理解して頂きやすいように、ざっくりと単純化してお話します。
証明された真実ではないので、御伽噺を聞くくらいのスタンスで聞いて下さい。

私は、全てはエネルギーが変態、変容したものととらえています。
物質とはエネルギーの一形態にすぎないのです。(アインシュタインによって証明済み)
宇宙の星々も、そこに住む我々生物もその一形態にすぎないのです。

…と言うことは…

この世界はエネルギーが常に流れながら喜びのダンスをしている状態と捉える事も出来るわけです。そして、今この瞬間、否、過去でも未来でも、どの瞬間であろうと、宇宙の物質とエネルギーを、負のエネルギーを持つ重力も含めてすべてトータルすると、プラスマイナスゼロになると考えられるのです。

例えばFXや商品先物の世界と同じです。
FXや商品先物の世界では莫大な財を築く人もいれば破産する人もいます。
しかし、どの瞬間でもこれらの損失と利益をトータルするとゼロになるのです。
相場の世界ではこのような取引をゼロサムゲームと呼んでいます。

話を元に戻します。
膨張する宇宙を逆再生していくと最終的には原子よりも小さい一点に収束します。これが万物の始まり。ビッグバンです。
そして、その瞬間、全てのエネルギー収支はゼロとなり一瞬のうちに消えてなくなるのです。
これが、『無』から『有』が生じる私なりの説明です。

我々は星屑で出来ている;


ビッグバンから、かなりの年月を経て太陽が出来たと思われます。

万物創成からおよそ90億年経過した頃でも、太陽系の星は何一つありませんでした。
その頃は、水素ガス(ガス星雲)があるだけだったのです。
そんな何もないところに、大きなガスの渦巻きが現れました。

これが、太陽の赤ちゃん。
今からおよそ46億年前のこと。

この太陽の赤ちゃんは成長し、外側に大量の水素を蓄え、中心部で核融合を起こして、熱と光を発生し続けるようになるのです。そして、そこから放出されるエネルギーが惑星や果ては生命体、人間といった複雑な存在物まで創り出すことになるのです。

それから数億年経て太陽系惑星(水星、金星、地球、火星など)が誕生します。
誕生と言っても神が作ったわけでも、突然ポッコリ生まれたわけでもありません。
太陽の周りを周回していた星屑が少しずつ衝突して凝集し、次第に大きくなり、それ自体の重力が大きくなって、周辺物質を引き付けていくようになるのです。こうして、惑星が形成されていくのです。

これから少し経って、地球で初めての生命が誕生します。
これも、勿論、神の仕業ではありません。
当時の地球は火山の噴火で地面は割れ、隕石が降り注ぎ、有毒ガスが辺りを覆う凄まじい有様でした。そんな状況の中、多分偶然が積み重なって、海底で自己複製能力を持つ分子(分子群,おおざっぱに言えば遺伝子みたいなもの)が生まれたのです。
そして、これが現れると、自然選択が働きだし、自己複製能力が高まる変異を起こした子孫が生き残るようになっていくのです。

ここから遺伝子の悠久の旅が始まるのです。
リチャード・ドーキンス(※1)の言葉を借りれば、『生物それぞれの個体の身体は遺伝子が悠久の時間を旅するための乗り物にすぎない』のです。

これが生命の始まりと言えます。
今からおよそ38億年前の出来事とされています。
これが我々の祖先であり、地球上の全生物は全て同一祖先から枝分かれしたと言えるのです。

分かり易くする為にストーリーを単純化してまとめてみましょう。
太古の昔、時間も物質もない無から突然大爆発が起こり宇宙が誕生した。
宇宙は膨張しながら星々を作っていった。その一つが太陽。
そして、太陽の周りに星屑が集まって地球になった。
地球の表面の星屑(土)はやがて形態を変えて、太陽の助けを借りながら植物や動物、果ては人間へと変態・変容していった。

 ここで、結論。
『我々は星屑で出来ている』

※1リチャード・ドーキンス(Clinton Richard Dawkins)、イギリスの進化生物学者・動物行動学者

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