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映画 「逆光」 衝撃の一作品

※若干のネタバラシまで行かない中身の説明あり!

先日アップリンク吉祥寺にて

「逆光」

を観てきました。

アップリンク吉祥寺で上映されてる映画は本当に個性豊かで面白い癖のある作品ばかりです。
その中でもこれは色々な意味で衝撃だった作品なので感想をnoteに記すことにしました。

1・イラストポスターの話題性
2・映像美
3・日本人特有の捉え方
4・ストーリーについて
5・総合的に、これから
1・イラストポスターの話題性

この作品の話題を呼ぶ一つにイラストポスターは置いておけない話題だろう。
“たなかみさき”さんのイラストが起用されたポスター。

これだ。
“たなかみさき”さんといえば細い線で描かれた女性の少しセクシャルな部分をも捉えた色鮮やかなイラストで有名だろう。街でもさまざまな広告で目にするイラストレーターの一人だ。
彼女のイラストを起用した今回のポスターはまさにこの映画にピッタリであった。
少し寂しげな雰囲気とそれとは真逆に色鮮やかに描かれたこの作品の雰囲気と匂いを全面に描いている。
そんなポスターからも話題性を呼ぶ、映画「逆光」中身も覗いてみよう。

2・映像美

まずは映像について。
とにかく美しいコントラスト高めの作品。
これに尽きる。
正直私は映像に関しても素人であるが、そんな私でも映画を観ながらも「はぁ」とため息をつくほどに美しい映像だったのは間違いない。
現代ではなく1970年代を描いていることもあり、目に飛び込んで目立つのは服装の鮮やかな色だ。明らかに今どきでは無い服装から放たれるその時代の服装独特の色合い。
そして、尾道という広島の街。海も多く出てくる。この作品に欠かせない自然豊かな映像。これもまたこの時代の服装となんとも美しいマッチング。そこから生み出される自然から聞こえる音もまたこの映画の素晴らしさの一つだろう。

3・日本人特有の捉え方

映像の美しさ。それと共に入ってくる音の美しさもこの映画では重要だと捉えられる。
前提として日本人が作る日本人の捉え方だからこその美しさである。どういうことか。
日本人は自然を大切にして、自然から生み出されるモノを
“美”と捉えるだろう。造形美ももちろんだが日本人ウケするのは自然から湧き出る水やしぶきだ。そしてなんといっても、虫の声。これは日本人とポリネシア人には虫の声は
“言語”として認識されるらしい。これが音から入る美しさのワケだ。外国人には“雑音”として認識される虫の声がこの映画では印象的に耳に入ってきた。夏が題材ということで聞こえてくるセミの声など。それが映像美と共にグッと映像に惹きつける音。それが合わさって衝撃の一作だった。

4・ストーリーについて

ネタバレはしたくないから、奥までは触れないが、まずはわかってもらったであろう、映像の美しさ。本当に素晴らしいモノだった。

あらすじ
1970年代、真夏の尾道。22歳の晃は大学の先輩である吉岡を連れて帰郷する。 晃は好意を抱く吉岡のために実家を提供し、夏休みを共に過ごそうと提案をしたのだった。先輩を退屈させないために晃は女の子を誘って遊びに出かけることを思いつく。幼馴染の文江に誰か暇な女子を見つけてくれと依頼して、少し変わった性格のみーこが加わり、4人でつるむようになる。 やがて吉岡は、みーこへの眼差しを熱くしていき、晃を悩ませるようになるが……
(逆光 公式ウェブサイトから)

これがあらすじだ。
正直に観た感想を言うと、ポスターや広告からの期待値が高かったせいもあるが、なんだか物足りない、お腹いっぱいではない感じがあった。
映画の時間の短さが一つだと思う。
62分に詰められたこの作品。
たとえば2時間作品があった時に大体は最初の30〜45分で映画のストーリーや設定が理解できる。
この作品は結構わかり始めたところで映画が終わる。それに一つ衝撃があった。ここで終わるんだ。残念というより、さまざまなことを考えられる長さだった。良い意味でも悪い意味でもだ。
良い意味ではこの先が気になるのは一つ。夏休みという設定の中で繰り出される多くないドラマ。それは現実味があってとても良くできていた。それがさらに映像美と共に繰り出される。それは本当に素晴らしい作品だった。
悪いというか残念なのは、あっここで終わるんだという心残り感。62分でガッツリと掴めない作品のストーリー。同性に好意を寄せる一人の青年が心を掴めるか!みたいなところで終わるから、なんだか悔しい感じがした。(勝手に)
それも含めて、良い作品なんだろう。

5・総合的に・これから

心残りを勝手に残した私から総合的に素敵な映画だったと言える。
終わったあとスッキリする映画、胸糞映画、それ以外に考えさせられる・考えれる映画がある。この作品はその、「考えさせられる・考えれる作品」だった。
これはどんな映画よりも面白い。そのワケ。
まずストーリーについてこれはどうだったのだろうと観た後に考える。そしてこの映画の映像は素晴らしかったが、自分ならどんなふうに進めるかなど勝手に妄想する。それが素晴らしい映画の特徴とも言える。アップリンク吉祥寺ではそんな映画を多くやっている。その一作にふさわしい作品だった。
そしてこれを観終わってなんと監督権主演を務める、須藤蓮さんが映画館にいらしていた。
そんな彼がその場で作品の中身や過程を話してくれた。
彼は初めての監督作品だったそうで、この映画は自主作品で制作費用は500万円プラス、クラファンによる費用らしい。
またそれを素敵ポイントだろう。自主作品としてのセンスは素晴らしいし、これからもまだ撮っていくという言葉が聞けたが、すごく楽しみだ。
これから何作も重ねて生まれる作品は更にレベルアップして考えれる作品が出てくるに違いない。
素晴らしい作品に出会えて感謝だ。



素人大学生が語る映画感想でした。

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