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発達障害の生きづらさを乗り越えるために。

 こんにちは、はぴです。
今回は、前々から記事にしたいと思っていた「発達障害」について書きたいと思います。
私が精神保健福祉士として相談を受けている中で、周囲の不理解により、発達障害の方が生きづらさを抱えているなと感じるケースをよく見かけます。この記事が、発達障害について考えていただく機会になれば嬉しいです。

はじめに

 発達障害の方はその特性により、学校や仕事、生活に困難が生じることが多々あります。そして、周囲の理解が得られない場合、生きづらさを感じてしまいます。
誰しも、生まれ持った「根本的な性格」を変えることは難しいことです。猫を被ったり演じたりすることはできるかも知れませんが、それも長期に及べば疲弊してしまいますよね?
発達障害も同様です。無理にその「特性」を矯正しようとすると、「二次障害」を起こしかねません。
本人が苦手をカバーできるように工夫することに加え、周囲の理解が必要不可欠です。
周りの環境次第で上手くいくケースは山程あります。
本人も、周囲の方も、対処方法を考えるためには、発達障害の特性を知ることが大切です

それでは次の項から、発達障害について詳しく紹介していきたいと思います。


二次障害とは、先の障害に起因することで困難が生じ、周囲の理解が得られなかったり、注意されたりせることで自己肯定感が下がり、うつ病やひきこもり、統合失調症、不安障害などの他の障害が現れてしまうことをいいます。


発達障害とは

 発達障害とは、総じて「生まれながらの特性」だといえます。
ここで発達障害と一括りに捉えてしまうことには注意が必要です。
発達障害にも様々な特性がありますが、大きくわけると以下のように分類できます。

①注意欠如多動性障害(ADHD)
②自閉症スペクトラム障害(ASD)
③学習障害(LD)

複数の障害を併せ持つ人もいれば、同じ障害でも特性の現れ方やその程度は人それぞれ異なります。

注意欠如多動性障害(ADHD)

 ADHDの特徴は、①不注意 ②多動性 ③衝動性 です。
じっと座っていられない、落ち着きがない、気が散りやすい、ミスや忘れ物が多い、考えなしに衝動的な行動をとる、片付けが苦手、時間が守れないなどが見受けられます。感情のコントロールが苦手で癇癪持ちという方もいます。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

①社会的コミュニケーションの困難さ ②強いこだわりや偏った興味関心 が特徴です。

相手の立場に立って考えることや空気を読むことが苦手でコミュニケーションに困難が生じたり、ある物事や生活パターンに強いこだわりがあったりし、社会生活に支障が生じます。自分なりのルールやこだわりがあり、その変更を強いられるとパニックになってしまうことも。

また、音や光、感触に過敏であり、周囲からは特異と見られるような容姿(顔を覆う、特定の服を着るなど)をしていることがあります。

学習障害(LD)

 総体的な知的発達レベルに問題はないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論」などの一部の能力のみ極端に苦手で困難が生じるものです。例えば、読み間違えが多い、文章や単語の意味を理解できない、文字の大きさがバラバラ、暗算ができない、時計が読めない、数字が覚えられないなど。

対応方法

 人によって特性の現れ方が異なるため、一人ひとりに合った方策を考えることが前提ですが、ぜひ、以下の内容を参考にしていただければと思います。

ADHD
 ADHDでは、不注意や多動、衝動性を軽減させるために薬物療法 を取り入れることがあります。

自分でできる対策としては、気が散りやすい人は耳栓をしたり、物をなくしてしまう場合は置き場所を決めたりアラームやスケジュール管理アプリを活用するなどがあげられます。

また、より自分に適した職場や環境に身を置くことも一つの選択肢です。(例えば、自分のペースで進められる仕事に就くなど)

周りの方については、忘れ物がないか一緒に確認してあげたり、大事な予定の前に声をかけてあげたり、進捗状況の確認を行ったりなどのフォローがあると、本人も安心できると思います。

■ASD
 ASDの場合、特性を理解し、その人に適した環境に身を置くことで生きやすくなります。

また、興味関心があることには高い集中力を発揮したり、真面目にコツコツと作業することが得意だったりする方が多くいるため、得意を活かすということに意識を向けると、想像を超える能力を発揮することがあります

苦手なことは周囲の方が理解してカバーしましょう。

■LD
 LDの場合は、苦手を把握し、自分にあった工夫をしましょう。
例えば、計算ができない方は電卓アプリを使う、読むことが苦手な方は音声機器を活用する、書くことが苦手な方はパソコンを利用するなどが考えられます。

また、周囲が本人の苦手を理解した上で配慮することが大切になります。

私は算数ができない

 余談ですが、私は数字以前に算数が苦手です。
指を折って数をかぞえたり、計算をしたりします。
時間の計算も時計を見ながらではないと難しいので、時計が近くにない場合は、紙に時計を書いて時間の計算をすることもあります。

学生の頃は算数や数学という科目がある以上、計算することは避けて通れず、どうにかしなきゃと机に向かっていました。
解説を読んでもまるでわからなかったので、とても辛かったです。

自分はやってもダメなんだ、頭が悪いんだと、自己評価は最低でした。
しかし大人になってからは、自分なりに工夫することで大きな支障なく生活することができています。

苦手なことはなるべくしないで済むような環境に身を置き、困難が生じそうな時は計算が苦手だとカミングアウトをしています。

私は福祉の世界に身を置いているので、周りの理解が得られやすいことが幸いです。

発達障害の相談先

 発達障害かな?と思った時の相談先には、発達障害者支援センターや役所の障害担当部署、保健所、子ども家庭支援センターなどがあげられます。
本人も、ご家族の方も、周囲の方も、抱え込まずに相談してください。
相談することで、本人も周囲の人たちも、共に過ごしやすくなります。

最後に

 発達障害の方はその特性により、生活や仕事で困難が生じます。そして、周りからの理解が得られない場合には、生きづらさを感じてしまいます。
しかしその特性を把握し対処したり、環境を変えたりすることで、自分らしく生活することができるようになるのです。

そして、一人ひとりにあった環境や配慮、工夫を行うことが何よりも大切であることを忘れずにいていただければと思います。

はぴ


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