【エッセイ(ミニ)】ミスドでのひととき
ミスドが好きなんです(突然)。
コロナ禍になる前に比べると出かける頻度は減ってしまいましたが、創作をするときや短い文章を書くとき、待ち合わせや、ただドーナツを食べたいときなどよく利用しています。
沖縄ではとても人気があるといわれているミスド。テイクアウトでもイートインでも様々なお客様がみえます。
おしゃべりを楽しむ女性たち、ランチやティータイムで食事をされる人、最近は見かけなくなりましたが勉強する学生もいました。
ずっと以前、夕方ごろに店内で本を読みながらコーヒーを飲んでいたら
若いお母さんが5歳くらい(に見える)男の子、とベビーカーを押して店内にやって来ました。私の席から少し離れた席に座ったので、ベビーカーの中も赤ちゃんも見えました。
少したってから、男の子が声をだして笑いだしました。
元気がいい男の子です。楽しそうに笑っています。
でもBGMはあるけれどわりと静かな店内。男の子の笑い声は響きます。
そのうち男の子は手をたたいたりして笑い声も大きくなってきました。
若いお母さんは男の子に何も言わず注意もせずにずっとスマホをみつめています。
他のお客様が何か言ったりしないかな?と私はひとりなんだが勝手にドキドキしていたのですが
耳を何気にすますと赤ちゃんの笑い声も聞こえてきました。男の子はベビーカーの中の赤ちゃんをあやしていたんですね。
その間、お母さんはずっと真剣な表情を変えないままスマホを持っていました。
やがて
私がコーヒーのお代わりを頼むころ、この親子はミスドをあとにしました。
あの若いお母さんは何かを抱えていたのかもしれません。でも私には何があったのかわかりません。
なんとなくわかったのは男の子はやさしいお兄ちゃんだった、ということでした。
いつも行く店舗でもしかしたらあれから大きくなった男の子と店内ですれちがっていたりして…。
ミスドでのひととき。私は好きなんです。
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