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「人の役に立つ仕事」ってなんだろう、という話

ここ1年ほど、採用面接をしていて思うことがあります。

介護業界という属性も大いに影響しているとは思いますが、「どうしてこの仕事をやってみようと思ったんですか?」と聞くと、多くの人が口を揃えて言う

「人の役に立つ仕事がしたいと思ったんです」

もちろん、それが、本音の全てだとは思っていません。その言葉の裏には「介護なら食いっぱぐれないと思っています」「他に手に職つけたいと思っています」「とりあえず受けてみました」等々、いろんな思いもあることでしょう。まあそれはいったん置いときます。


この、「人の役に立つ仕事がしたい」と言う言葉を聞いていつも私が思うのは

逆に、「人の役に立たない仕事」って何があるの?

ということ。

人の役に立つ事をして、その対価をいただくのが「仕事」です。
役に立つ事をしても対価を求めないのはボランティア。誰の役にも立ってないのにお金をもらう事があるとすれば、それは「無駄」、もしくは場合によっては「詐欺」の類ではないでしょうか。

一口に「人の役に立つ」と言っても、そもそも主語が大きすぎます。「人」って誰よ?と。もっと、解像度を上げて考えて見てほしいです。

「困っている人」が、「安全安心に生活できるように」役に立ちたいの?
「普通に生活してる人」が、「より便利で豊かな暮らしができるように」役に立ちたいの?
「仕事をしている人」が、「もっと効率よく仕事できるように」役に立ちたいの?

「誰」にとって、「どんな風に」役に立ちたいのか。
もっと言うと、それをなぜ「あなたが」やるのか。あなたはどうやって「役に立てる」のか。

そんな風に、もう一段深いところに思いを巡らせてくれると、面接担当者としても「ああ、この人に仕事を任せたいな」と言う気持ちになります。

中途採用ならまだ、こういう志望動機云々よりも職歴を見て掘り下げていけば、どんな仕事ができるのか想像できます。

でも、これが新卒採用に臨む就活生になると、そういう職歴という武器も無くなるわけなので、「人の役に立ちたいです!」とだけ元気いっぱい言われても、残念ながら「ああ、あんまり何も考えてないのかな…」と思ってしまいます。


これから採用面接に臨むみなさん。
是非、「誰にとって」「どんな風に」役に立ちたいのか、もう一度考えてみてください。

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