【新天地、今度はどんな病院?】
介護タクシーに乗って10分足らずの所にリハビリ病院があった。
築1年ちょっとの新しい病院だった。
病院に入ると眩しかった。これが第一印象だった。
とても明るかった。
監獄からホテルに来たようだった。
タクシーの車椅子からストレッチャーに移る時に、外来のナースが右往左往しているのでイケメン君がひょいっと抱え乗せてくれた。
相変わらずの頼もしさだった。
でも、僕が入院してる間に太ったようで腹回りがパンパンになった感じがした。
ストレッチャーに移ると検査室に入り抗体検査で鼻の奥をグリグリされ悶絶。
結果は陰性。
次に採血、ナースに言われることは決まって「細いね~いつもどこから採ってますか?」だった。
でも自信があるようで直ぐに抜き取り終了。さすがだった。
次に心電図。最後にレントゲン室に行き、レントゲン撮影をしたのだが機材がこんなに違うのかと驚いた。
新しい病院は素敵だと思った。
ひと通り検査が終わると病棟のナースに引き渡され、ストレッチャーで2階に移動した。
次の住まいは、2階か・・・
エレベーターを降りると一番奥の部屋に連れていかれた。4人部屋の廊下側のベッドに移された。
4人部屋なのに僕しかいない。
ボッチ部屋だった。
聞くと隔離部屋だと言う。
何故?隔離?頭が混乱した。
「どうして、隔離されるのですか?下の抗原検査も陰性でしたよ!」と言うと「前の病院の電子カルテに同室の患者がコロナ感染と書いてあるから」と言われた。
寝耳に水である。
「前の同室者は、1名で虫垂炎の高校生で熱はあるが虫垂炎からの熱で1日しか一緒にいないし、入って来た時に抗原検査して陰性と聞いたんだけど。そもそも退院時に聞かされてないし、コロナだったら退院できないだろう。」と言うと「カルテに記入されていることしかわからないから・・・」と言われる。
「系列病院なんだから電話で問い合わせできないのですか?」と尋ねると「違う病院なので」とのことだった。
退院してからも足を引っ張られるのか・・・
カルテに記入した直近のナースは、おねえが夜勤。
前日は脇坂。
最悪なツートップが頭に浮かんだ。
結局、1週間の隔離部屋生活となった。
ただ悪いことばかりではなく良いこともあった。
担当ナースが1年目の子でナミちゃんと言って、この子が面倒を良く見てくれた。
そして、リハのスタッフの動きが早かった。
ナースコールが押せるようにコンビニのスプーンとペットボトルのキャップを使用して直ぐ作ってくれた。ありがたかった。
翌日、朝一で「主任の石井です。体調どうですか?」と挨拶に来た。石井さんはとても優しい人だった。
この石井さんは、師長代理でもあった。2階は師長がいないようだった。
石井さんのおかげで大変助かることになる。
つづく
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