社会について

 職場での食事会が苦手だ。親睦会、歓送迎会、その他諸々の〝仕事上のお付き合い〟というもの全般が、何せ駄目なのだ。
 私はどう考えても人付き合いが下手な人間である。上辺だけの付き合いというものがどうも出来ない。よく、「長いものに巻かれろ」だとか、「何を言われても黙って笑っていればいい」なんて言われるが、そういうことが殆ど…というか、ほぼ出来ないに等しいのである。
 相手を一旦『苦手だ』と感じてしまうと、常に心の鎧を外せなくなる。そうなる理由は必ずあって、決して先入観というものが理由ではないのだが、世の中には上手くやっている人が大勢いて、そのお陰で波風立たずに職場での平和が保たれている場合も少なくないだろう。だから「何を言われても黙って」「長いものに巻かれて」いることは、私に理解出来ないだけで、とても大事ことなのかも知れない。そういった上で考えれば、それが出来るようにならなければいけない…と諭された時点で、努力しなければならないのかも知れないが、私にとってそれは、受け入れるのに少なからず違和感を伴うものであった。
 親睦会について、ある人はこんな事を言った。
「社会とはこういうものだと知っておくべきだ」
 又ある人はこう言った。
「自分自身をアピールする場所やから、自分が普段いかに頑張ってるか、知ってもらう良い機会やで」
 過去に親睦会というものに参加したことが無いわけではないが、そんな風に考えて参加したことは一度として無かった。何故、飲み食いの席で社会を知り、勤務時間外のことで仕事上のアピールをしなければならないのか…。
 私は自分が苦手だからという理由に支配されているのかも知れないが、社会とはなんと狭小で、つまらないものだろうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?