マガジンのカバー画像

何度でも読み返したいnote1

98
何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 100作品たまったので、何度でも読み返したいnote2を作りました。
運営しているクリエイター

#育児

好々爺しげさんの独り言は         かるくて深くてせつない

この世を去った後に その人の存在が さらに 大きくなるということがある。 しげさんが亡くなったのはコロナ禍真っ只中の春だった。 葬儀はひっそりと行われ、家族だけに見送られて旅立った。 あれから1年半。しげさんの言葉は生き続けている。いや、その言葉の重みは増しているのだ。 しげさんの生前の生活は平凡だった。穏やかな日々。でも、だからこそ心豊かに生きるヒントがいっぱい。 ちょっと覗いてみましょうか。 第1章 縁側でにゅうめんを      すするしげさん しげさんの好物は

明日、君は指揮を振る

「卒業式で、指揮者やらないかって聞かれたんだけど、、」 三学期が始まってすぐ、戸惑いがちに長男が言った。 「え?今年も?すごいやん」 そう答えるも、複雑そうな顔で「うーん」と言う。 卒業式での合唱の指揮者は先生からの推薦で決まる。その日、長男は学年主任の先生から指揮者をやって欲しいと言われ、その場で即答をせずに持ち帰った。 「去年もやってるからさ、僕ばっかりでいいのかと思って」 去年、在校生として卒業式に参加する二年生の指揮者を任された。結局、コロナ禍の中で、卒業

ふたりの春が、いつかどこかで歌っていますように。

春ってちょっと苦手だけれど。 わたしが苦手だからといって、春を 迎えたい人がたくさんいるのだから それを嫌いって言ってちゃいけないなって 思った親子にむかし出会ったことを 思いだした。 お父さんと娘さん。 幼稚園ぐらいの女の子。 わたしの隣のテーブルのお客さんだった。 私たちの方が少し先に来ていたので メニューが運ばれてくるまでちょっと 待っていた。 席を決める時に、そこにいないお母さんを 思いだしたのか、パパはここ、わたしはここ そこはママだね。 って言った

“小さな恋の物語”を目の当たりにし、前のめりになった話

今、小2の娘が小学1年生だった頃の話。 よく一緒に下校している男の子がいた。 誰と帰ってきたん?と聞くと、「さとしくん(仮名)やで」と登場する頻度が非常に高かった。 今のご時勢なので参観などもなく、クラスの子の顔も全くわからない。その子と家もそこまで近くないようなのだが、仲良くしているんだな、くらいに思っていた。 「今日は帰りに一緒に漫才しててん」と言っていた日もあった。 「何それ、めっちゃ可愛いやん。どんな内容なん?」と聞くと、「どうも~〇〇〇(娘の名前)でーす!

5歳!500メートルの大冒険。

ついに幼稚園が休園になってしまった。 期間は、1週間ちょっと。 「外出は控えてください」と園からのメールが届いている手前、堂々と公園に遊びにいくのも気が引ける。 休園開始からの2日間は、真面目に家の中で過ごした。外の空気が吸いたくなったら、ベランダでシャボン玉をしたりして。でもついにシャボン玉液がなくなってしまった3日目、私は息子を散歩に誘った。 「りんりん!ファミマにお菓子買いに行かへん?」 「いくいくー!」 「今日はファミマまで歩いていこうや。近いしさ。」

春のおもいで

今年の春に出産をしました。 3年ぶり2度目です。 もともと物事に慣れるまでに時間がかかり覚えも悪いので、1度経験した位では何もかもを忘れており、なぞる記憶もないまま手探りで日々を過ごし臨月を迎えようとしていました。 ありがたいことに里帰り出産をすることができたので、3才の娘が祖父母(私の父母)と遊ぶ姿を微笑みながら見守り呼吸をし食べて眠る、というだけの生活で我が世の春を謳歌するうちに体重計の針が突き破ってくる勢いで体重が増えていきました。 怖かった。 ただ、最初の出産で