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何度でも読み返したいnote2

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの2も記事が100本集まったので、3を作りました。
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#やさしさを感じた言葉

ひとり、街を歩く夜に思うこと

急に歯が痛くなって、 夜遅くまでやっている歯医者に駆け込んだ。 夕食の仕度はしてきたし、子供たちは夫が見てくれる。 歯の治療を終えて外へ出ると、 すっかり真っ暗だった。春の雨が、静かに降っていた。 夜は久しぶりだ。 子供が産まれて、そのあと感染症が蔓延してから、1人で夜に出歩くことは、ほとんどなくなった。 久しぶりの夜は、 いつもの街をなんだか知らない場所みたいにしていた。 歯医者の並びに、予備校がある。 昼間は、いつも空っぽで薄暗い。 けれど今は、部屋は煌々としてい

189 「大丈夫」の強さとやさしさ

「大丈夫」という言葉には、強さとやさしさがあるなとしみじみ思う。子どもが転んで泣いているそばで、母親が「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とおまじないのように言っている姿を見ると、やわらかい気持ちになりつつ、自分に言われているわけでなくても「そうか、転んでも大丈夫だ」と心強く思うものである。 また、いつもと様子が違う人に対して「大丈夫?」と聞くことがある。これは、相手を慮る質問。この言葉によって、相手が「実は体調がすぐれなくて」や「落ち込むことがあって…」といった、心の中で抱え

5分間のウマ娘と10年分の感謝

いまから1年前、私はウマになった。 「何食べる?ご飯?パン?」 「リンゴなくなるでー」 「スッキリに加藤さん出てきたよー」 あの手この手をつかい、朝が弱い6歳娘を起こそうとしますが、なかなか起きません。 ちょうどその頃、彼女はカワイイ女子が走りまくるアニメ「ウマ娘」にはまっていて、保育園から帰ってくると、そればかり観ていました。 「今日、パパとウマ娘して保育園いく?」 寝癖ボサボサの髪で、目だけキラキラさせてむくっと起きあがり… 「なにそれ………、、、…………

仕事のことなんかで泣いちゃだめだよ

職場に素敵な女性がいた。 当時私は20代中盤で、彼女はおそらく40代半ば。 隣の部署で旅行誌を担当してる、仕事のできる女性リーダーだった。 私が所属していた部署と違って彼女の部署は「旅行誌」を扱っているという性質上、常に九州各地を飛び回っており、職場で顔を合わせることは少なかった。 とはいえ、私が朝出社すると、既に彼女が席に座ってノートパソコンに向き合っていることもあったし、午後、キャリーバックを引いて出張先からそのまま会社に戻ってくることもある。 「ただいま戻りました~」