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名目実効為替レートと製造品出荷額

おはようございます。飯能高校探究部のギンです。

今回は、名目実効為替レートと飯能の製造品出荷額の推移のグラフを作って見ました。まずは名目実効為替レートと製造品出荷額とはなにか、そして製造品出荷額の動き、名目実効為替レートと製造品出荷額の関係について話していきます。

名目実効為替レートと製造品出荷額とは?

名目実効為替レート

日本銀行の説明では、名目実効為替レートは、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、総合的な為替レートの変動をみるための指標とあります。

対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出されたものだそうです。

製造品出荷額

経済産業省の説明では製造品出荷額は、工場出荷価額によります。ただし、次のものはそれぞれ下記の価額です。

1 .消費税及び内国消費税(酒税、たばこ税、揮発油税及び地方道路税の納付税額又は納付すべき税額の合計)を課せられたものは、その税額を含めた工場出荷価額

2.割引き、値引きされたものは、その分を差し引いた工場出荷価額。
と説明されています。

製造品出荷額の動き

製造品出荷額は大きく分けて3つの動きが2007年以降にあると思いました。

1.リーマンショック
2008年に起こったリーマンショックは金融危機で、これが発端となり企業の信用収縮が進みました。

この信用収縮により、企業は投資を抑制しました。
これが製造業に直接影響を与え、製造品出荷額が減少したのだと思います。

同時に、リーマンショックは消費者の信頼にも大きな打撃を与えました。
不安定な経済情勢や失業の増加があり、消費者は支出を抑制し、内需が低迷しました。
消費の低下は製造業にとって市場の縮小を意味し、製造品の需要が減少したことが出荷額の減少につながったのだと思います。

要するに、リーマンショックが引き起こした信用収縮が企業の投資抑制や消費者の支出減少を招き、これが製造品の出荷額低下に直接的に影響を与えたということです。

2.東日本大震災
2011年に発生した東日本大震災によって消費者は支出を抑制しこれが製造品の需要低下に繋がり、出荷額の減少に寄与したと思います。

さらに、震災後の復興と対策への資金の流れが、全国的な経済のバランスを変化させました。

被災地への資金やリソースの注入が増える一方で、他の地域の需要が一時的に減少したため、製造品の出荷額が飯能などでも一時的に減少したのだと思います。

3.量的•質的金融緩和(QQE)
日本銀行は、2013年4月に量的質的金融緩和、2016年1月にマイナス金利付き量的質的金融緩和、2016年9月に長短金利操作付き量的質的金融緩和を導入して強力な金融緩和緩和策を実行しました。

量的質的金融緩和は、中央銀行が国債などの資産の買い入れや短期政策金利の引き下げなどを通じて金融市場に資金を供給します。(日本の場合は、イールドカーブコントロールによって長期金利も操作)

これが金利の低下をもたらすため、企業や個人が融資を受けやすくなり、投資や消費が促進されます。

特に製造業にとっては、低金利が新規設備投資や生産の拡大につながる可能性があり、これが製造品の需要増加や出荷額の増加につながるとされています。

この後の話と同じような話ですが金融緩和が円安をもたらす場合、製造業の輸出競争力が高まり、製造品出荷額が増加する要因になると思います。

総括すると、量的質的金融緩和は、低金利環境を創出し、企業の生産活動を刺激する効果や円安に促すことによって輸出競争力が高まる効果があります。これが製造品出荷額の増加につながったとおもいます。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/material/d20210624-2.pdf

名目実効為替レートと製造品出荷額の関係

名目実効為替レートと製造品出荷額の推移を見ると逆の動きをしているように見えます。
なぜ逆に動いているのか理由を考えてみました。

理由
名目実効為替レートが上昇すると、輸出が不利になります。これに加えて、輸入品の価格が低くなるため、国内消費者は輸入品を選好する傾向が強まり、国内製造品の需要が減少し逆に、名目実効為替レートが低下すると、輸出産業が促進されます。国外から見て製品価格が魅力的になり、輸出が増加する可能性があります。

これに加えて、輸入品の価格が上昇するため、国内消費者は国内製品を選好する傾向が強まり、内需が増加し個別要因はありつつも名目実効為替レートと製造品出荷額は逆に動いたのだと思います。 

まとめ

名目実効為替レートと製造品出荷額については今まで考えたことがありませんでした。

グラフを作ってみたところ、それぞれが逆に動いていることに気づきました。個別要因もありつつも名目実効為替レートも製造品出荷額に関係があると思うので面白いと思いました。


〜顧問のつぶやき〜
探究部のギンは他の部員の誰よりも政治や経済に興味を持っています。

高校1年生です。このまま深掘りして行って欲しいです。

今後、記事の内容も専門用語の使用等が増えると思います。顧問の私としてはファクトチェックや誤字脱字チェックに不安も・・・。

読者の皆さん、もしお気づきの点等ありましたらぜひ、ご指導ご鞭撻をお願いします。

さて、飯能市の製造品出荷額についての言及がありましたが、飯能市の製造品はそもそもどんなものがあって、どんな会社がそれを製造しているのかを調べてみるとますます内容がおもしろくなりそうですね。

そしてぜひ経済用語を小学生でも理解できるぐらいにイラスト等も交えて説明してもらえると嬉しいなぁ。








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