左利きについて思うこと
私は生まれついての左利きで、幼い頃から「ぎっちょ」とか言われ続け特異な存在として扱われてきました。でも今はどうでしょう?テレビでグルメ番組などを見ても左手でお箸を使うタレントさんのなんと多いことでしょう。一昔前からすると考えられない現象だと思いませんか?今日はこの「左利き」についてお話しします。
1 左利きを右利きに矯正すべきか?
親御さんの中には娘さん息子さんが左利きという方も多くおられると思います。もともと人間は左利きだという説もあるくらい赤ちゃんの頃は左手をよく使いますよね。そのまま放置すればおそらくかなりの確率で左利きがこの世に出てくるのではと思いきや。左利きを右利きに矯正する人々もおられるので、今でも左利きはマイナーではありますが、上記の通りテレビタレントが料理番組やグルメ番組でお箸を左手で使うシーンをほんとうによく見かけるようになったと思われませんか?これは親御さんの中には矯正する必要なしとお考えの方々が増えたからではないかと思います。私の娘は書くのも食べるのも左手です。それは私が幼い時に親から強制されて嫌な思いをしたから、娘にはそういう思いはさせたくなかったし、左利きだから嫁にいらないという男には娘はやらないと決めていたからです。
2 左利きが増えた社会的背景
インドでは、左手は「不浄の手」とされます。左手でご飯を食べることは許されないし、左手で友人の子供の頭を撫でようものなら相当な剣幕で怒られます。理由は簡単です。左手で用便の始末をするからです。今でもインド人は左手を使って用便の後始末、つまり「拭って」その後水で洗い流す作業をしています。が故に、「左手は汚いもの」「不浄」との認識なのですね。至極当たり前の話ですが。他方日本では、既に用足しの後は紙または水洗にて洗浄するのでそうした文化が既に消滅しているし、そもそも仏教思想が薄れてきている昨今では私の幼少期のような「ぎっちょ」「左利き」というようなインド伝来の左手を蔑視する社会背景が消滅したという事情があるのではないかと思っています。その結果私たちの周りに左利きが増えたということではないでしょうか?
3 左利きを右利きに矯正した方がいいの?
私は、自分の娘が左利きであることに早期に気づきましたが放置しました。それは私が幼少期に嫌な体験をしたからです。私の親特に母親は世間体を重んじる人で、父親が左利きであったことに対して何かコンプレックスのようなものを感じていたのか私の左利きを執拗に右利きに矯正しようとしました。おかげで私は書くのは右手になりましたが食べたり物を投げたりするのは左利きのままです。しかし、この矯正過程で私が「どもり」出したので親が諦めたそうです。この矯正のせいで私は相当期間吃音で悩まされました。言葉を発しようにも頭の言葉が出てこないという苦しみを中学校に上がるまで味わい続けたのです。この体験から娘の左利きは絶対に強制しないという信念ともいうべき方針が決まりました。
ことほど左様に、日本では昔ほど左利きに対する蔑視や特別視は無くなったので大分暮らしやすくはなりましたが、いかんせん「島国」ですからまだまだ日本文化には「闇」が多いのも事実ですね。これも近代化という名の元に「悪化」「改善」のいずれかに進むんでしょうが。。。
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