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これからアフガニスタンで起こること

 BBCなどの海外メディアはアフガニスタン大統領ガニ氏が、タリバンの首都侵攻に伴い同国を脱出しタジキスタンに向かったと報道しています。これからアフガンで何が起き、そして世界のパワーバランスはどうなるのでしょうか?

1  米国の撤兵・事実上の関与放棄表明と中国・ロシアの動向

 米国がアフガニスタンからの撤兵を表明し同国への関与を事実上放棄することを表明してからというもの、

  🔹 中国・・・政権奪取を狙うタリバンとの会合を開催し今後の双方の対応を協議

  🔹 中国及びロシア・・タリバンへの軍事支援を通じてタリバンの傀儡化を画策

 https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/China-and-Russia-show-unity-as-Taliban-bang-on-Central-Asia-s-door

するなど動きを活発化させてきました。

 今回のアフガニスタン大統領の国外脱出によりこの動きがさらに加速化され、いずれはアフガニスタンが事実上ロシアと中国の支配下に置かれることが大変懸念されます。そしてそれは今後の中央アジアにおける中国・ロシアのグリップ力アップへとつながり、ひいては中央アジアにおける中国・ロシアの影響力増大、いや覇権化及びパワー・バランスの変革となることを意味します。

2  1979年以降これまでにアフガニスタンで何が起きたか?

  1979年から現在に至るまでのアフガニスタン情勢を駆け足でレビューしてみましょう。

  🔹 1979年12月24日、旧ソ連が突如アフガニスタンに侵攻

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  🔹 米国は当時ムジャヒディン(脚注:※)と共に戦闘していたオサマ・ビン・ラディンらを軍事的にバックアップして旧ソ連軍に対抗・抗戦。これが事実上の米ソの代理戦争に ※アラビア語で「ジハードを遂行する者」を意味するムジャーヒドの複数形。

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  🔹 この紛争により、15,000人のソビエト軍と100万人以上のアフガニスタン人の命が奪われ、侵攻から9年後ソ連の屈辱的なアフガニスタンからの撤退で終結

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  🔹 この紛争は地政学的に劇的な結果をもたらし、1991年のソ連崩壊へのトリガー要因となり、同時にムジャヒディーンと共に戦ったビン・ラディン及びアルカーイダの台頭を誘引

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  🔹 その後米国が2001年「9.11米国同時多発テロ」を契機にビン・ラディンを匿うタリバン主導アフガニスタン政権と衝突・戦争突入。鎮静後暫定政権の樹立・占領政策を展開。米軍の同国駐留を開始

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  🔹 トランプ、バイデン政権が米国のアフガニスタンからの撤兵表明、中露からの助力を得たタリバン政権の軍事力増大・首都侵攻そして今回の大統領国外脱出

3  東西冷戦構造の再来

  米国によるアフガニスタンからの撤兵表明と同国大統領の国外退去は、「一帯一路」を推進する中国と中央アジア地域での覇権拡大を画策するロシア双方の同国への影響力浸透を招くことは間違いないと思われます。

  そして両国は、強大な軍事力を背景にタリバン主導によって誕生した新政権を傀儡化し益々同地域における覇権化を推し進めるに違いありません。

  先般の主要先進国会議(通称:サミット)においてサミット参加国が中国への意識改革と対立軸の構築という共通目標意識を確認した直後における今回の事態は、今後1991年以前における東西冷戦構造の再来を予感させる出来事となることは必至と見られ今後の動向が大いに注目されます。

  東京2020の後処理、コロナ禍対応、大雨による災害拡大など不安要因を抱えながら総選挙への秒読み体制に入りつつある日本は、G7の一員として地域の安全保障或いは経済支援、難民対応など今後のアフガニスタン情勢にどのように取り組んでいくのか世界が注目しているものと思われます。


  

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