アドリブ研 : "Summertime" (3)
さて、今回は私の作例も出させてください。
半熟作例
機械音源はこんな感じです。
bpm 140, 少しだけバウンスさせています。
ただこれ、トロンボーンの音色でアウトプットすると、細かいフレージングのときにぶつ切れになってしまうんすよね。いややわ。
Aパート
前回述べたように、基本的はハーモニックマイナーを基調にフレージング。
4小節目はA7を生かしたDmのマイナー2−5の音使いです。
5小節目は1小節目に似た音形。
6小節目はF7なのでEbの音をきかせています。
6小節目4拍〜メロディックマイナーでフレーズを作っている、んだと思う。
8小節目は E7-9を意識していると思います(あまり考えてません)。
Bパート
同じようなモチーフでなんとなくフレージング。
3〜4小節はメロディックマイナーかAドリアンか。Am7- D7- G7とつなげたフレージングなのかも。
5小節目、ブルース・スケールっぽいEb。6小節目も。
7小節目・8小節目も メロディックマイナーのF#を強調しています。
多分、パートの終わりの終止のAmについてはAm6をイメージしているっぽいです。Staticなコードという印象があるのでその構成音のF#を強調しているのかも。
7-8小節目、あえてフレーズに即したコードをつけるなら
|Am6 |Bm7- E7-13|となりましょうか。
Cパート
2小節目はシンプルにブルース・マイナー・スケール。
ここで三連符のきっかけをつくり、3小節目は三連四つどりのフレーズ。Aマイナー一発の単調さを、リズムで遊んだ感じです。
また、後半C,Dパートは16分音符が増えますが、ちょっと盛り上がりとして速いフレーズを意識しています。
4小節目はAパートと同じA7-9のフレーズです。
7小節目。iReal ProではここであえてのB7+となっています。
なんでなんですかね?
|Dm7 |F7 |B7+ |E7-9 |(iReal Pro)
|Dm7 |F7 |Bm7-5|E7 |(黒本はこれ)
これ、メロディノートが乗っているわけでもなく、なぜB7 augmentなんでしょうね? ここはAマイナーのセカンダリー・ドミナントのB7と考えてB7っぽさをだす(D#の音を用いて)だけにとどまっています。
Dパート
1~2小節目はA→G#→G→F#のクリシェを意識したフレーズです。
3小節目はブルース・マイナー・スケール。
ベタなメロディフェイクのレベルですね。
(追記)ここ4小節目のコードは次の段のCに行く2-5として考えるのが妥当だと思っていましたが、例えば、iReal proの D7 G7-9みたいなコード付けは、
|Bm7-5 E7-9|Am7 |D7 G7|と、4小節目最後でG7に着地する大きな流れと考えても良さそうです。その場合、このAm7はAドリアンで吹くのが望ましい、ということになりますね。
まとめ:
自分の作例って、あんまりコメントする余地がないっす。
マイナーの曲の代表として「枯葉」が思い浮かぶとは思いますが、「枯葉」はメジャー・マイナーのツーファイブがコード進行の中に使われていて、バップ的には吹きやすいイメージがあります。
一方"Summertime"はトニックのマイナーがとにかく長い。もちろんそこにはドミナントは記載されていますが、メロディだけみると平坦なAmが連続しているようにも見えてしまう。
全体にコード進行のギザギザが少ない曲です。
バップの「ツーファイブ逆算思考」では、手がかりになるポイントも少ないし、バリエーションも少ない。
例えばAll The Thingsとかだったら、沢山いろんなキー2-5がでてきますよね。Summertimeでは、とりあえずたてつけてある2−5をペリペリっとはがしたら、のっぺりとしたAmだけが残る曲です。
なのでツーファイブにはあまり頼れない曲であったりします。
ツーファイブのリックも、同じキーだと、すぐネタ切れしてしまいがち。
なので、ツーファイブの細かいバリエーションを考えるのも一つですね。
さらに、むしろトニックの平場で、どうフレーズを展開するか。
スケールの選び方で、フレーズのニュアンスが変わる面白さ。
そして、コードの変化が少ない分、基本に立ち返って、メロディフェイクというのを大事にすることも必要かと思います。
おまけ:
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