ショートケーキを食べながら涙が滲んだ話
先日、地元の友人と1年ぶりくらいに会って、お茶をした。
1年も会っていなかったから、お互いの近況報告やそれに紐付くどーでも話などなど、話は積もっていた。
相手もこの1年の間いろいろあったと思う。
そして私にとっても、非常にいろいろな事があった。
以前の記事『あなたにしか分からない苦しみと、その辛さが和らいでいく可能性。』
で詳しく書いたのだが、私は心身の調子を崩していた。
もともと過敏性腸症候群の症状があり、薬でなるべくコントロールするようにしていたが、
程度の様々な腹痛(主に食後)の症状も悪化していたようだった。
だから食事を取ること、特に誰かと一緒に食事することに不安感を覚えるようになっていた。
そのため、その日、
友人とのお茶は私にとって久しぶりの、
「誰かと一緒の食事」
のシーンだった。
ショートケーキと紅茶のセットを注文し、
それが届くまで友人と話している時間。
そして注文が届き、ショートケーキを一口食べたとき。
その時友人としていた何気ない話とは裏腹に、
なんだか泣き出しそうになっている自分の心に気がついた。
「あれ、なんでこんな気持ちになっているんだろう…?」
と不思議に思ったが、すぐに分かった。
ああ、また友人と好きなものを食べながら
楽しくお喋りできるときが再び訪れたからだ、と。
私はそのことに静かに感動していたのだ。
それまで、ショートケーキを食べてこんな気持ちになったことはなかった。
この1年の経験があったから、
かつては何気ないと思っていた体験の喜びを
深く感じられたのだと思う。
人間には回復する力がある。
いろいろな人たちに支えられて、自分自身も自分を支えて、私は今ここにいるんだ、と思って、素直にすごいなと感じる、今日この頃だ。