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やさしい街
表参道は、今日からイルミネーションだよ
心がぐん、と跳ね上がったのがわかった。
あのひかりの中を歩けるとわかったら、立ち寄らないわけにはいかなかった。
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原宿〜表参道エリアには、なにかと縁があるような気がする。
18歳で上京して、初めて連れられた東京が竹下通りだった。
「ここが東京、竹下通りだよ!」と言われた感動は、いまでも忘れない。
五右衛門のパスタと、安くてかわいいお店に感動した。
連れてきてくれたふたりの友達は、埼玉在住だったのに。
それから10年近く経って、オフィスワークをするようになってから計3年くらい、あのあたりで働いていた。
もちろん、表参道のイルミネーションは毎年楽しみにしている。いまでも
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あの街を、懐かしく思う。
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竹下通りにはすぐ馴染めた、ような気がしたけれど(あのときのわたしは、いちご柄のワンピースを着て、リボンの付いたカチューシャをつけて、SWIMMERというブランドを心から愛していたので、竹下通りによく似合った)
キディランドより先の表参道エリアは、いまでも身の丈に合っている、とは思っていない。
けれども、ふらっとSTAR JEWELRYを覗いたり、表参道ヒルズのジャン=ポール・エヴァンでチョコレートを買えるようになった。
べつに、身の丈に合わなくたってへいきだって、いまではわかる。
そもそも、身の丈ってなんだろう。
仕事帰りの崩れた化粧でも、エヴァンでチョコレートを買ったっていいじゃないか。
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きらびやかな街を、思い出す。
そういえば、あの街でたくさんの友達と会った。
「表参道で働いている」というと、「じゃあ行くよ」と言われることが多かった気がする。
散歩をして、お店をして、
職場の友達とも、よくふらふら歩いた。
原宿にオフィスが近かったときは、東急に通い詰めていた。
イセタンミラーで新作コスメをチェックしてにやついて、ジルスチュアートでときめきを補充して、ロフトをうろついて、パーツ屋さんを徘徊した。
時折屋上、オモハラの森でコーヒーを飲む。
表参道の、居心地の良いスターバックスも忘れてはならない。
あそこのソファーと窓辺で、友達と、ひとりで、過ごした贅沢な時間を、わたしは忘れない。
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あの街は、いつでもやさしかった。
やさしく、してもらっていた。
わたしはあの街で、いつも笑って、息を吹き返していたような気がする。
きらきらしたものに溢れて、そのときめきが、いまでも心にあかりを灯してくれているような気がする。
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またあの街を、あなたと歩きたい。
そう思うことで、今日のわたしは息をしている。
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