長い旅路を、適切に暮らしていけたなら。
気づいたら昼間で驚いた。
とりあえず眠ろう、と思って
「起きたら昼だった」というと少し言い過ぎのような気もする。
いつも途中で目が覚める。
でも今日は、その回数が極端に少なかった。
昨日の日課を終えていない、ということはもちろん理解している。
それなのに、「やらなきゃ」という気持ちも、「やりたくない」という気持ちも、どちらも希薄で
そう、すべてがぼんやりとしているような感覚だったように思う。
漬物石のように重たい、確固たるものが在る、というわけではない。
いくつかの思考が、ぼんやりと”もや”のように覆ってくる。
それはもう、ほとんど霧のようなもので、「払おう」とも思えなかった。
だから、もう一度眠った。
*
雨の音が聞こえてくる。
昨日時点での今日は、雨予報じゃなかったから気のせいかもしれない。
夢の中でわたしは「ぐりとぐら」の絵本を持っていた。
かぶっていた埃を払って、大切に抱えていた。
もう一度目覚めたときには腰がずいぶんと痛くて、何度か寝返りを打たなければ起き上がることができなかった。
冬以外の季節には、床で眠ってしまうことがある。
*
目覚めると、もやは遠くへ行っていた。
空も晴れていたから、雨は気の所為だったのかもしれない。もうわからない。
もし、世界で雨が降っていたならば、それは「大切なこと」や、「多くの人の暮らしに影響があること」だったのだと思う。
わたしの小さな部屋と、この暮らしには関係のないことで
もちろん、「昨日の日課を終えていないまま時間が経過したこと」は、他の誰にも関係ない。
今日中にリカバリをする予定だったから、明日のわたしにも関係ない。
*
大切なものいくつかは、
そのときだけ大切だったり、誰かには関係のないことだったりする。
それならば、とわたしは頷く。
“ほんとうにたいせつなもの”を、見極めて
わたしの速度で、のんびり抱えていこう。
昼寝をしたり、おやつを食べたりしながら
わたしを許しながら、長い旅路を、適切に暮らしていけたなら。
イージーモードなんてない人生を、
そんなふうに歩み続けていけたならば、きっとそれでいいのだろう。
わたしは今日も、すこやかな気持ちで、言葉を綴ることにした。
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