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追憶の免許維持路線

きょうはサッカーがらみのバスネタです。

免許維持路線ってな~に?

路線バスの免許維持路線とは「その区間を運行する免許は抑えておきたいけど、当面は積極的に運行する気はない」路線のことです。

多くの場合、1日1本とか、週1本しか運行されません。
ひどいところは1年に1本というケースがあります。

いわば「アリバイ路線」ですね。

そんな免許維持路線の中で、私に縁の深い2路線をご紹介します。


市立競技場(関東鉄道・水戸)


市立競技場というのはケーズデンキスタジアム水戸のこと。

試合開催時のシャトルバスは水戸ホーリーホックのスポンサーでもある茨城交通の担当ですが、
それとは別に関東鉄道の通常の路線バスが土休日に1往復だけ乗り入れていました。

試合開催日にうまく時間が合えばアクセスルートとして活用も可能です。

茨城交通のシャトルバスとは経路が全く異なり、
水戸駅までは南東よりのルート(植物公園・千波湖)を通ります。

所要時間はどちらも大差ない感じです。その時の道路事情に左右される要素が大きいです。

関鉄バス

ケーズデンキスタジアムの常設バス停から発車する関東鉄道バスの定期便

水戸ホーリーホックがケーズデンキスタジアム水戸をホームとするようになってからも長らくそのままの状態が続きましたが、今年になって少し様子が変わってきました。

関東鉄道が自社HPで水戸ホーリーホックの試合の足として積極的にPRするのみならず、試合時間に合わせて臨時便を出すまでになりました。
(試合が終わるとリンクを外すのでログが残っておりません)

そして、定期便も水戸駅方面はいつの間にか土休日1日2本に倍増していたのです!

本数こそシャトルバスにかないませんが、関東鉄道の場合はSuicaが使えることが、特にアウェイの客にとってはありがたいのではないでしょうか。

※ナイトゲーム時など、帰りの関東鉄道便はない場合があります。

免許維持路線がこのように息を吹き返すのはなかなかのレアケースです。


小机新道(東急バス・新横浜)


東急バスの綱島駅・新羽駅方面から亀甲橋経由で新横浜駅を結ぶ路線、
通常の便(綱72系統)は亀甲橋を渡った日産スタジアム前で左折してまっすぐ新横浜駅へ向かいます。(下の路線図の赤い路線)

が、休日に1日1本だけ(しかも片道だけ)、鳥山経由で大回りする便(新横82系統)が存在します。

この路線、かつては全便が鳥山経由で小机駅まで行く路線でした。

ところが、いつの頃からか上記のようにショートカットして新横浜駅に向かうようになり、
旧来の鳥山を経由する便は少数派に転落してしまいました。

ルート自体も、日産スタジアムの建設でまっすぐ進むことが出来なくなり、
日産フィールド小机(マリノスの練習場)の西側を大きく迂回するようになりました。

つまりこの新横82系統は、かつての小机駅行きの忘れ形見なのです。

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日産スタジアム手前から左に点線で分かれているのが新横82系統
鳥山~又口橋は実際には横浜線の南側を通る

まだ日産スタジアムが影も形もなかったころに、車でこのバスの迂回前のルートを通ったことがあります。
田んぼの中に立っていた、この系統専用の鄙びたポールが今でも印象に残っています。周囲は何もありませんでした。

時期的にサッカーにまるで縁のない人生を送っていたころで、当時の思い出と強力に結び付いています。


時は変わって今年11月23日。そう、D級コーチライセンスの講習会を受けていた日です。
場所は新横82系統の通る小机新道停留所からほど近い、日産スタジアムの一室。

新横82系統は、休日の12時ちょうどに小机新道を通ります。

本来のタイムテーブル通りだと講義は12時をまたぐので、このバスを見る機会はなかったはずでした。
ところが、午前の講義が予定より早く12時5分前に終わったため、思わぬチャンス到来。

一目散に外に出ると、ちょうど小机新道で客扱いを行う新横82系統を激写することが出来ました。(乗客いたんだ…)

新横82-2

小机新道で客扱いを行う新横82系統(日産スタジアム側から撮影)

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コーチライセンス取得で一歩踏み出そうというその時に、過去の思い出と結びついた路線を見送るのはなかなか感慨深いものでした。
サッカーと縁遠かった頃のわだかまりも一緒に乗せて、過ぎ去ってくれたのかもしれない…

機会があれば一度乗ってみたいと思います。
横浜線の踏切を渡る、貴重な路線です。


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