見出し画像

私がD級コーチライセンスを取得した理由

このたび、JFA(日本サッカー協会)のD級コーチライセンスを取得いたしました。

D級コーチライセンスとは

アマチュアレベル(子供を中心に)の指導者向けに与えられるのがD級コーチライセンスです。
平たく言うと、いわゆる少年サッカーの指導者が該当します。

取得には2日間の講習会を受ける必要があります。
講習会は大きく分けて、指導者として知っておくべきことを座学で学ぶ「理論」と、実際にプレーすることで講師の指導方を体感する「実技」で構成されています。

受講資格は「地域においてスポーツ活動を実施している指導者および、これから指導者になろうとする者」です。
つまり競技経験は問われず、その時点で指導に従事していない人でも受講することが出来ます。

そのため、サッカーに造詣の深い方が勉強のために受講する事例も見受けられます。

今回、私は横浜の講習会を受講する機会を得ました。

私も競技経験はないに等しく指導の経験もゼロですが、受講の動機は、いわゆる勉強のためというのとは少し違います。

サッカー「と」生きる子供たちを

受講する以上、どのような指導者になりたいかというビジョンはあります。

現在の日本サッカーの指導の現場は、プロサッカー選手を送り出す、いかにサッカー「で」生きる選手を育成するかについては数多のノウハウがあります。

その一方で、プロになった一握りの選手以外は、学校を卒業するとぱったりとサッカーと縁が切れてしまう、いわゆる「燃え尽き症候群」の問題点も指摘されています。

自身の体験から(後述します)、サッカーに興味ある子供たちに一人でも多くサッカーと触れ合う機会を作り、しかもサッカーが好きになってほしい。
さらに、燃え尽き症候群になることもなく、一生涯サッカー「と」生きていく人を少しでも増やしたい、そんな選手を育成したい、という願望があります。

ライセンス取得はその一里塚にすぎません。指導者としての本当の勉強はむしろこれからです。

「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」

ともいいますよね。

競技経験がほとんどなく、指導の経験もない私が指導者としての足掛かりをつかむのに、まずはライセンスを取得しようという思いがありました。
講習会を受けることで、どのような勉強をしなければならないか正しいアウトラインをつかんでおく必要があると考えました。
(頭でっかちになってはいけないとは思いますが)

壁の向こうでいじけている自分を、腕づくで引っ張り出したかった。

ここからは個人的な話になります。

noteで再三書いているように、私には一番大切な時期にサッカーをする機会を得られなかったという拭い難い過去があります。

そんな経緯から、小さいころからサッカーを経験してきた人との間に見えない壁を感じています。
「所詮自分はサッカーファミリーではないのだ」その苦しみから今すぐ人生を終わらせ、やり直した方がよいのではないかとすら考えることも多かった。これも再三書いてきた通りです。

しかし文字通り「見えない壁」です。

壁があると感じているのは、所詮は自分の頭の中でしかありません。
見えないんじゃなくて、壁なんて本当にないのかもしれない。

そんなバーチャルな壁の向こうでいじけてネガっている自分を、腕づくで引っ張り出したかった。

「 お 前 の 居 場 所 は 、 こ っ ち ! 」

「場が人を育てる」という言葉があります。

自分のサッカー歴を卑下して、選手の育成が出来ますか?
どこの世界に、サッカー界の人間であるという自覚のない指導者がいるというのでしょうか?

やや乱暴なやり方かもしれませんが、自分に指導者という肩書を与えることで、ネガティブな思考回路を遮断したかった。
所詮は思い込みでしかないのですから。

そんな手段で壁を破ったつもりでいられても困ると思う人がいるかもしれません。
しかし、かまいません。

以前書いたように、私はめぞん一刻の「四谷さん」のように生きてきたという自覚があります。

四谷さんなら、非常識と言われようと壁を破らなきゃ。
相手の迷惑など関係ない。
それすらできずに、四谷さんのように生きてきたなどと、どの口が言うか。

来世に持ち越すはずだった夢を、現世で叶える。

これも以前書いたことですが、自分の夢は生まれ変わってサッカー少年になることでした。

字面だけ見れば、現世ではかなえられない夢です。

でも、夢に少しでも近づくために今の自分にできることは本当に何もないのか。

自分の心の中には、今でもサッカーが出来なかった頃の幼少期の思いがくすぶっています。

平たく言えば、自分の中にまだ9歳の自分が同居しているようなものです。

でも、もし自分が少年サッカーの指導の場に立つようになったら。

最初は慣れない指導にいっぱいいっぱいかもしれませんが、
やがて指導が軌道に乗り始めたとき

長年自分の中にくすぶっていた幼少期の自分の幻影が殻を飛び出して、
子どもたちの中に混ざって一緒にサッカーを楽しんでくれるのではないか。

ピッチで駆け回る9歳の自分の姿が瞼に焼き付いたとき、
来世に持ち越すはずだった夢を、現世のうちに叶えたことになるのかもしれない。

※本当に自分が子どもたちに混ざってプレーするという意味ではないので安心してください(笑)


さいごに

こんな動機でD級コーチライセンスを取得する人間なんて、おそらく私が初めてでしょう。

初物が好きな横浜人の性なのだろうか(笑)

もちろん人間ですから、大切な時期にサッカーをできなかったことに対する後悔が、ただちに雲散霧消するとは思えません。
しかし、だからといって人生を早じまいしようなどと短絡的な感情を抱くことは、もうないと思います。

ライセンスを取得することで、手を変え品を変えひょっこり顔を出すネガティブな自分を黙らせる、モグラたたきのハンマーのようなものを得られたんだと思っています。
水戸サポだから印籠というべきか(笑)


次回以降、D級コーチライセンス取得に至るまでの道のりを詳しく書きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?