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広がる学びの可能性~教師の意識改革~

今日は、緊急受け入れ担当でした。

保護者の方の在宅勤務が進んだこともあり、ピーク時には30人程いた子どもたちも半分ほどになりました。

緊急受け入れ生活も約1か月。「基本、自主学習」という厳しい条件の中、子どもたちは個人で工夫をして楽しいことを見い出しています。

昇降口に立ち、子どもたちの登校を見守っていると、四角く折った色とりどりの折り紙がたくさんついた大きな画用紙を持って来る子どもがいました。

「何だか大荷物だね!それは、何だい?」

と声をかけると、

「これ? 街だよ! 昨日から作り始めたんだ!」

と楽しそうに教えてくれました。制限がある中でも、楽しさを発見できる子どものたくましさを感じました。

今の状況は、教師にとってもなかなか歯がゆい状況でもあります。

基本は見守り。自習を促し、指導はしない。ソーシャルディスタンスを保ちつつ、できるだけおしゃべりさせない。

という条件で、子どもと1日過ごすのは本当に酷です。

黙々と作業をしていれば、近くに言って誉め言葉の1つでもかけたくなりますし、悩んでいれば、「どうしたの?」と言いたくなるのが、教師です。

「子どもたちも辛いよなあ。」と思いながらも、座って自習を促さなければならないのは教師にとっても酷な勤務です。

そんな状況が続くと、少しでも楽しくしようと思うものです。「絶賛配信中の授業動画を学校でも視聴できるようにしよう。」という案が出され、早速実行しました。

やはり、動画のもつ力は偉大です。授業時間の切り替えに動画が流れると、子どもたちもいい気分転換になるようです。NHKさんの教育動画にもご協力いただき、子どもたちが少しでも楽しめるよう教師側の工夫も始まってます。

余談ですが、我が自治体で作成した動画は、ローカルテレビでも放映ることになりました。学年別に時間帯が区切られ、子どもたちの学習を促しています。そこに、本日から「ホームルームの時間」が加わりました。

これまでは、「市」が主体となって授業動画を配信していたのですが、ホームルームは、「県」の職員が協力し、様々な自治体の学校紹介、歌や体操など共に参加できるコンテンツが放映されています。

動画の内容は、様々な工夫の余地を残していますが、全県をあげて子どもたちの学習を保証しようという意図は感じられます。

このような状況は、多くの教師に学びの選択肢を広げることになっているのではないかと僕は感じています。今まで、「教科書を教える」という意識で授業づくりをしていた教師も、教室、学校という枠から外へ目を向け、学校同士でつくる学び、学校と企業でつくる授業など、可能性を示すことにつながっているのではないかと考えます。

もちろん、これらは新しい取り組みではありません。既に他の学校と学習の成果を発表し合ったり、教師によっては、海外の姉妹校とライブ映像で交流を図り、互いの文化を紹介し合ったりという実践を積み重ねている方はいらっしゃいました。しかし、「おもしろい!」とは思っても、「実際にやってみよう!」とまで至らない教師は多くいたはずです。

しかし、状況が変化した今、だれもが発信者になれるということを身をもって体験しています。教師も交代の在宅勤務をしている中、僕の学校では、「LINE WORKS」による主任会が行われました。今までは、「やり方が分からないから。」と拒否権を発動していた教師たちも、問題なく参加することができていました。

学校という現場は、急速に変わりつつあります。子どもたちのために変わらなければならないと必然性を見い出したからこそ、今までの「当たり前」が次々と変革されています。この流れは、きっと終息後も変わりません。子どもたちにとって、より充実した学びの可能性が、開かれているのです!


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