【学級経営】国、算、理、社よりも、係活動!

日本の教育界を救うのは、「生活・総合的な学習の時間」と「係活動」ではないか。僕は、そう考えています。

そもそも係活動って?当番活動と同じ?とよく質問されますが、「係活動」と「当番活動」は違います。「当番活動」は、学級という集団生活をするにあたり、誰かがやる必要があること。日直や給食当番、掃除当番など、その仕事を誰かが行うことで、みんなの生活が向上するものです。それに対して「係活動」は、なくても誰も困りません。だけど、「あると楽しい!」とか「あると役立つ!」といったものが、「係活動」にあたります。係活動をスタートするときには、このような説明を子どもたちにすることで、子どもらしい発想豊かな係活動となるよう期待しています!ちなみに、日直や日常の当番も方法によっては、もっと子ども主体で取り組むことができると思うのですが、これらは、またの機会に書かせていただきます。

①係活動スタートは、子どもが望んだとき!

 新学期が始まり、子どもたちと共に学級づくりに励んでいると、必ず、

「先生!係活動は、いつから始めるんですか?」

と聞きにくる子どもたちがいます。僕は、「係活動やりたいの?いつでもいいいよ・・・。」と言って放置します。すると、

「先生!早く始めたいので決める時間をとってください!」

となります。これ程の意欲をもち始めたら話し合う時間をとろうかなと計画します。子どもの実態によりますが、話合う前に待ちきれず、活動をスタートしてしまう子どもたちが出てきます。僕にとってこのような姿は、最高のスタートであり、このような子どもたちがたくさん育ってほしいなと願っています。とは言っても、やりたくてもなかなか言い出せない子。係活動になんて全く興味がなく、中休みのドッジボールのことしか考えていない子。など、教室の中には様々な子どもがいるので、4月の終盤には、話合う時間を取ることになるのではないかと思います。

②やっぱり、楽しい活動が大切!

僕の学級では、係活動をするための制限を設けていません。自分が好きなことにとことん挑戦してほしいと思っているからです。その結果、係の子どもたちが「みんなで遠足へ行こう!ついでにごみを拾って地域貢献!」なんていう活動が生まれます。もちろん、アイデアを形にするために簡単な企画書をまとめ、あらゆる関係者に許可を取り、みんなにアナウンスをして趣旨説明をします。公園の地図で動線を確認しているうちに、集合場所はどこが良いか議論になり、「分からないから行ってみようか。」ということで、代表の子どもの保護者を説得して連れて行ってもらい、下見を完了。次の日に写真を提示しながらプレゼンするというように、活動が発展していきます。

当然、スムーズには進みません。「公園に行きたい。」と言えば、「校庭にしておきなさい。」と言われ、「ごみ拾いをします。」と言えば、「拾ったごみはどうするんだ。」と言われ、公園の管理事務所に確認。というように何度も大人の壁にぶつかります。これが、まさに係活動の学びです!

きっと、家から帰って来た子どもに、「明日の放課後、公園に連れて行ってほしいんだけど!」と相談された保護者は、「なんで?」と、問い返したことでしょう。そこで、子どもが、活動の主旨を必死にプレゼンして説得にかかります。この過程が、掛け替えのない学習なのです!

実際に、公園に行ってみると、近くの幼稚園生が遊びに来ていて、打ち合わせなしの交流が始まったり、ごみを拾いに行ったのに先に掃除をしている大人に出会い、「だから、この公園はいつもきれいなんだ。」と納得したり、そこでしかできない学びが待っています!これは、全て活動を実行した子どもたちのおかげです!

③最初は、自分勝手でいい!

とはいえ、子どもたちに「どんな係がやりたいの?」と聞くと、「本係」「飾り係」「お誕生日係」「お笑い係」など、「今までに活動してきた係」しか答えられません。ここは、支援のしどころです。最初から無理やり斬新な係を出させようとせず、本当に自分がやりたい係活動を十分に楽しむことが大切ではないかと思います。その中で、例えば「本係」の子どもに対し、

「とっても面白い本ができたね!もっとたくさんの人に読んでもらいたいでしょ?どこに置けばいいかな?」

と、問いかけることで、子どもに「教室の中だけじゃなくてもいいんだ!」と気付かせることができます。活動に可能性を見い出した子どもたちは、廊下や交流級の教室、図書室などに交渉に行き、自分たちの本をより多くの人に読んでもらおうと考え始めるのです。このときに大切なのは、「この係活動の目的は何か?」と子どもたちにイメージさせることです!「本係」は、「自分たちの本をたくさんの人に読んでもらいたい。」という目的があります。この目的が、「私は、絵が好きだから係の時間ずっと絵を描いていたい。」という内向きになっていると、学びが広がりにくくなります。スタートは、「絵が好き。」で良いのですが、活動が安定してきたら教師の助言をきっかけとして、学びが広がる方向へと背中を押してあげたいものです。

④最後は、必ず達成感。

それぞれの係が、「みんなを楽しませる!」「みんなの役に立つ!」という目的意識をもって活動をしていると、当然のことながら係の子どもたちが運営する会が行われます。レク係が主催するゲーム大会。子どもたちのテンションは上がりまくりで、説明する子どもの声が聞こえない。スタート位置に並んでほしいのに、みんながざわざわしていて時間が終わってしまう。などなど、上手くいかないことが多々あります。このようなときは、運営側の反省点として、次回につなげるよう声をかけることも重要ですが、第一に意識したいのは、「ある程度計画通りにいくよう、教師が支援をする。」ということです。どれだけ、説明する子どもの声が小さくても、「ゲームができない。」という結果になってしまうと、誰も得しません。重要なことは、「何とか最後まで運営できた。」という事実なのです。少しでも、「みんなのために企画して良かった!」と思わせることが、次の活動につながり、挑戦を重ねることで、教師の手から離れていくのです。

⑤「係活動」が最高の学び

これまで、「係活動」の素晴らしさを書かせていただきました。書くのは簡単なのですが、充実させていくには、まだまだ配慮すべきことはたくさんあります。一番難しいのは、「何でもいいや。」と特別なこだわりなく所属しているこどもです。この子に対しても細やかな支援が必要になってくるのですが、一番の支援は、「同じクラスの友達が、楽しい活動をつくり上げている姿」を見ることだと思います。生き生きと過ごす子どもたちをお手本として、楽しい学級をつくりあげていきましょう!

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