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【子育て】親や教師が知っておきたい「ずる」の話。

ふいに話しかけられると、反射で応えてしまうJUNです!

その時に応えた決断は、大抵間違っているという結果。本当だったら、「少々お待ちを。」と時間をいただいてじっくりと考えれば良いのですが、一旦迷い始めてしまうと、決断まで長くなるということも知っているので、とにかく瞬発力で対応してしまうのですよね。

本日は、そんな話題。

人間はおもしろいもので、「分かっていてもついつい。」なんてことがよくあります。性格が歪んでいるとか、もともと生粋の悪人ということではありません。

本当に出来心と言うか、何と言うか「ついつい。」なのです。

しかし、「しょうがないな。」と思って傍観者を気取っている方々ももしかしたら、「ついつい。」の闇に飲み込まれるかもしれません。だからこそ、教師や親は、「そういうこともあるよね。」と大らかな気持ちで子どもを見守ってあげてほしいのです。

そんな「優しさ」をふりまく記事を書きましたので、ぜひとも読んでみてくださいね!

▶「ついつい。」やってしまうこと。

大分昔になりますが、人間は「ついついずるをしてしまう。」なんてことを書きました。

ざっくり説明すると、

「テスト結果を報告する際、自己採点だと点数の水増をしてしまう。」

というちょっとした「ずる」をしがちという実験です。さらにおもしろいのが、

「テスト結果を報告する相手が、ちょっとした顔見知りだった場合、水増しをする確率が上がる。」

ということも確かめられました。

このように、人間はふいに「チャンス」が訪れると、「自制心のブレーキ」が緩くなってしまうという特性をもっているのです。

そんな「ずるい」部分が確かめられたノースイースタン大学の心理学者であるデイヴィッド・デステノさんたちが行った実験をざっくり紹介しますね。

「被験者に『簡単ですぐ終わる課題』と『複雑で長時間かかる課題』のどちらか一方に挑戦してもらうようお願いしました。課題に挑戦するにあたり、一方のグループに選択権を与えました。」

もうお分かりだと思いますが、「選択権をもらった被験者がどちらかを選んだら、もう一方の課題には、選択権がもらえなかった被験者が取り組む。」ことになります。

さて、あなたはどちらの課題を選択するでしょうか。

「そうは言われても。」と迷ってしまった方、ご安心ください。「ランダムで選んでくれる装置。」も設置済みです。

さて、このような状況を一しきり説明していき研究者は部屋を出ていきました。部屋には、被験者一人だけ。

このような状況が揃ったとき、驚きの結果が出たのです。なんと!

「92%の被験者が『簡単な課題』を選択した!」

のです!

まぁ、そうなりますよね。

「誰も見ていない!」っていう状況ですから。しかし、人間らしいなぁという情報がもう1つ。

「研究者による事前の聞き取り調査では、『ランダム装置を使った方が平等だ!』と理解している人は100%だった。」

のです!

これが意味していることとは、

「正々堂々勝負に臨む大切さは分かっているんだけど、絶対にばれないという状況が生まれたときに、人間は楽な方に流れてしまう。」

ということなのです!

念のためもう一度書いておきます。

「やはり、人間はついついずるをしてしまうもの。」

なのです!

研究者でさえ、この結果に驚き、「被験者選択をミスったか。」と思ってしまったほどだというのですから。

▶「ずる」をさせないためには。

ここまで人間の可愛らしさというか切なさというか、「どうしようもない。」と思える部分をさらしてきましたが、もしかすると「子ども」をこのような状況に追い込む大人のかかわりが「ずる」を誘発するかもしれないので、ここにまとめます。

まず、過去記事にも書きましたが、

「大人の過度な期待。」

は、子どもに「ずる」を促します。

「あなたには才能がある。」
「あなたは、いつも100点を取ってきてえらい。」
「あなたは、何でもできてしまうから。」

という何気ない大人からの声かけに子どもは一喜一憂します。

もちろん、大人側としてはプラスの声かけなので、悪いことではありません。しかし、「才能」や「結果」と言ったことを褒められると、

「結果を出さないと価値がない。」

という極端思考になってしまうことがあります。

そして、そのプレッシャーにより、ちょっとした「ずる」をしてまでも、「結果」を出したいという考えに行きついてしまう可能性があるのです。

あくまでも、「結果」ではなく「過程」を認める声かけをしましょう!!

さらに、「学習環境」は「ずる」を誘発します。

実験が物語っていますが、

「明らかに『ずる』をしても大丈夫な状況。」

に置かれることにより、大人でも「自制心」がどこかへ行ってしまうのですから、子どもの「自制心」だってあてになりません。

しかし、この「環境」においてしまった責任は「大人」側にあるのは自明の理ですよね。

だからこそ、子どもの学習効果を上げるのであれば、子ども任せにして「結果だけを聞く。」のではなく、「学習の過程を共有する。」ことが重要なのです!

▶まとめ。

本記事では、「任せきりに注意!」という内容をまとめました。

書いていて自分も耳が痛いのですが、自分の子どもの学習進度を事細かく把握はできていません。

むしろ、学校の子どもたちの方が把握しているんじゃないかと思う今日この頃。そんな我が身を切り刻みながら書いてみました。

「毎日横づけピッタリ。」という訳にはいかないかもしれませんが、子どもと共に勉強を楽しむことを心がけましょう。その積み重ねが、結果的に子どもの「勉強好き」にもつながるのです!!


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