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なぜ人前で話すことがこわいのか

「スピーチがきらい」
「人前に立つと頭が真っ白になる」
「みんなから見られていると調子が出ない」

なんて言ってくる子どもたちがいます。

いや、人前に立つことを好まないのは、子どもとか大人は関係ないですよね。

なぜ、人前に立つことは恐怖にも似た感情が沸き起こるのでしょう。

そんな疑問の理由になる、おもしろい考え方をシェアさせてください。


▼人前に立つことが恐怖を感じる理由

学校では、朝の会に「日直のスピーチ」が行われているのではないでしょうか。もちろん、絶対ではないので、先生と子どもたちが考えた結果、スピーチなしとなることもある。

僕自身、それなりに先生をしていましたから、「スピーチどうする?」と子どもたちに問いかけると、かなりの高確率で「やりたいくない!」という反応が返ってきました。(もちろん、やりたい!という子どももいます)

実はこの反応、「人間」という大枠で捉えると、遺伝子レベルの拒否反応かもしれないというのがある調査で示唆されているのです。

ちなみに、スピーチといえばアメリカ。
#偏見

そんなスピーチ大国で育ったアメリカ人を対象に行った「あなたの怖いものは何ですか?」というアンケートでは、「スピーチをする」ということが「死ぬこと」を上回って第一位を獲得したというのです。
#内向型人間のすごい力

どうやら、「スピーチ恐怖」は万国共通で恐怖の対象である可能性を秘めています。

そんな仮説に根拠を提供してくれるおもしろい理論を提唱したのが、社会生物学者のE・O・ウィルソンさん。ウィルソンさんのとんでも理論はこう。

「私たちの祖先が草原で生活していたときまで遡りましょう。そんな時代、『見つめられる』ということの意味は1つだけ。『捕食獣にねらわれている』という絶体絶命のピンチ。ただ、これだけ。だからこそ、『多くの人から注目を浴びて見つめられている』という状態は、本能的に命の危機を感じるのではないか。」

というもの。

もちろん、人間はそんなに簡単につくられていません。

「スピーチが怖い」=「命の危機」のように、全てが単純に1対1でつながっているようなことないのです。

ものごとの「結果」の裏側には、全て洗い出すことができないくらい複雑な理由が絡み合っている。

ただ、その理由の1つに、ウィルソンさんの理論があるというのは、おもしろいなぁと思うのです。

ちなみに、遺伝子レベルではなく環境レベルでも「スピーチ恐怖」を食らってしまう場合もある。

それが、「否定」です。

好奇心旺盛の何でもチャレンジ時代。人前に立ってチャレンジしたことを否定的にとられたり、自分の中で納得がいかなかったりした経験も、「スピーチ恐怖」につながってしまう可能性を秘めています。

もちろん、生まれもった気質が関係している場合もあるでしょう。

全員がジョブズになれと言っている訳ではありません。

むしろ、「スピーチ恐怖」を多く人が抱いているからこそ、人前に立って堂々と気持ちを伝えることができるスキルに価値があるのですから。

ただ、長く短い人生において「スピーチ」のようなチャンスをいただき、その恐怖を乗り越えた方が、自分の人生において良い結果につながりそうというときもあるでしょう。

そんな時は、ぜひこの記事を思い出し、「スピーチなんてたくさんの人が恐怖を感じているんだから、台本通りにできればよし!」位のハードルにしてあげると、内向型の人は特に実力を発揮しやすいかもしれません。

▼まとめ

本記事では、「スピーチって死ぬより怖いらしいよ!」という内容をまとめました。

余談ですが、子どもたちの前に立って教えるという教師。ある意味「話すこと」が仕事なのですが、僕自身数十年やっていても毎日恐怖しています。

知識と経験である程度はカバーすることができるのでしょうが、恐怖はなくならないんだなぁと実感させられる今日この頃。

共に、恐怖を乗り越え、自分を磨いていきましょう。

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