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「話合い活動」で意識したいこと。~なぜ、「本当」の気持ちを伝えることができないのか~

noteでは、言いたいことが言えるのに、会議になると躊躇してしまうJUNです。割と気にしいなんですよね。そして、自意識過剰なので、僕が主張したことの「伝わり方」とか、「相手に与える印象」なんてつまらないことを考えてしまいます。

そんな悩みを打破するために、話合いにおける「自分ルール]」があります。

①先手必勝! 一番先に言ってしまう。
②先に出された意見を思い切り肯定してから自分の意見を話す。

の2つです。「ルールは少ない方がいい。」と書いたくせに、2つのルールとしてしまいました。

この「自分ルール」をつくってから、話合いの流れにうまくのることができているのでは、と自分では思っている次第です。

さて、今日の記事は、「話合い活動」を実践していく上で大切なことを書こうと思っています。小学校では、話合い活動をめちゃくちゃ重視しています。とにかく「自分の考えを伝えられる子どもになってほしい。」という願いを込めまくっていますから。僕も、子どもたちが真剣に話し合っている姿を見るのは大好きです。学級運営の中核にしているので、書きたいことはたくさんあるのですが、今日は1つだけ。「子どもが『本当』の自分の意見を言うことができる教師の手立て」について書こうと思います!

▶「本当」の意見を言えない理由。

これがなかなか曲者です。また、僕の「自分ルール」に戻ってしまうのですが、①の「一番最初に自分の意見を言ってしまう」というのが、自分なりの対策です。

どういうことかと言うと、みなさんも経験があるのではないかと思うのですが、ある話題に対して、「僕は断然Aだと思う!」と心の中で決めていたとしましょう。そこで、ある人が立ち上がり、

「今回は、Bがいいと思います!」

なんて、堂々と声高に主張したらどうでしょう。ましてや、その彼が背の高いイケメンだったらどうですか。

「あっ・・・。もしかしたら、Bもいいかもな。」

と、思ってしまわないでしょうか。

いやいや、待ってくださいJUNさんよ。私は、そんなに弱い人間ではないですぞという方もいるでしょう。では、

「さっき〇〇さんが、Bがいいと言っていたのですが、私も同じ意見です。理由は・・・。」

「僕もBがいいです! 間違いありません!」

「私もB!」

と、なったらどうですか。この話の流れ。

「みんな目を覚ませ! ここはAだろうが!」

と、いけるのは勇者です。僕のような村人は、もう早々に自分の意見を再構成し、「最初からBだったし。」と過去を捏造することに走るのです。

みなさんは、勇者ですか? ただ、この世界において、全員が生まれながらにして勇者であることに違いありません。しかし、「話合い」というフィールドにおいては、先行者の意見に引きずられたり、フロー効果が働いたりして、「真の主張」が揺らいでしまうこともあるのです。

しかし、これが問題であるということではありません。「最初から、最後まで一貫して他者の意見なんて取り入れない。」という姿勢もある意味問題ですからね。たとえ強いモンスターから村を救ったところで、銅像が建つことはないでしょう。むしろ、

「様々な意見を聞きながら自分の考えを再構成できる。」

という素晴らしい力があるとも言えます。

しかし、話合いにおいては「対立」がないと面白みにかけます。面白みというと勘違いされるかもしれませんが、

「対立することが、話合いに深まりを生む。」

ということも言えますよね。意見が対立するからこそ、違った見方や考え方が出され、自分自身の学びも深まっていくのです。

▶「話合い」に深まりを生むための手立て。

話合いを充実させるには、「対立」が必要不可欠です。しかし、上述したように少数派になればなるほど、「主張しずらさ」が増してくることは間違いありません。

だからこそ教師にできる手立ては、

「事前に子どもたちの意見を把握しておく。」

ことなのです。

僕の場合、話合いをする一時間前の授業内で、「自分の意見」を書かせて集めます。それを集約しながら、「話合いの対立点」を事前に把握しておきます。

この一手間があることで、意見が偏り、少数派が主張しずらくなる前に「対立型」の話合いを実現することができるのです。

さらに、この方法には「話合いをデザインできる」という素晴らしいメリットがあります。それは、

①全員の参加を促すことができる。
②話合いに山場をつくることができる。

というようなメリットです。

①はどういうことかというと、「なかなか話合いに入ってこれない子ども」を意図的に活躍させることができるということです。やはり、どんなことでも、「『参加できた!』という経験が、次への意欲を生む」わけです。ノートに自分の意見が書けているのなら、「発表できた!」という経験までさせたいですよね。ここら辺の詳しいことは、別記事に書くとして、とにかく、タイミングがつかめない子どもも、教師の意図的な指名により、話合いに参加してもらうことができるのです。

②についてですが、僕は話合いをする時に、

「発言権の弱い子どもから強い子どもへ!」

という「流れ」で指名していきます。

高学年にもなると、キャラクターがしっかりと立っています。どの学級にも「出木杉キャラ」がいるのではないでしょうか。

「困ったらあの子に聞けば何でも解決する。」という授業の切り札的な存在を一番最初に指名したらどうでしょう。無論、

「そこで、試合終了。」

です。「あの子がそう言っているんだから。」という空気感が充満し、話合いは終焉を迎えます。

そのような事態にならないために、その切り札的存在の子どもを指名するタイミングを意識します。そうすることで、話合いに流れが生まれ、追究意欲を高めていくことで、「山場」に到達することができるのです。

時には、「出木杉くん」に新参者をぶつけ、新しい風を起こすことで、「授業の山場」をつくるという手立ても考えられます。

などなど、様々な方法がありますが、ここから書き始めると、長くなってしまうのでこの辺で・・・。

▶まとめ。

本記事では、「話合い」を充実させるために教師にできる手立てをまとめました。1時間の中で40人を参加させるということは不可能です。だからこそ、計画的に子どもたちを生かすことができるよう教師側が見通しをもって臨むことが必要です。本来であれば、みんなで話し合うことはとても楽しいことなのですが、毎回聞き役に回っているだけでは、つまらないですよね。そのような経験の積み重ねが、授業への「オーディエンス参加」という学習スタンスにつながりかねません。ぜひとも、「みんな」にチャンスが回ってくる生産的な話合いをもちたいものです!


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