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休校教材研究~総合教材選定編~

今回は、教師向けの内容になってしまいますが、休校である今だからこそできる教材研究について書いていきたいと思います。子どもたちが、学校へ来ると、日々の授業準備で手一杯になってしまうことでしょう。そんな日々の中で後回しになってしまうのでは、「総合的な学習の時間」ではないでしょうか。時間がある今だからこそ、総合の単元計画を立てましょう。本記事では、総合学習をスタートさせるために避けては通れない「教材選定」するときに意識したいポイントを書こうと思います。

「総合的な学習の時間」~スタートまでの道のり~

・「教材」の選定
・「単元」の計画
・「手立て」の準備

このような手順で進めていくのですが、本記事では、教材選定について書こうと思います。

教材の選定に必要な視点

充実した総合学習にするためには、「教材選定」が全てです。教材選定が正解なのかどうか判断するポイントは、

①子どもの興味・関心に即しているか。
子ども一人ひとりで活動できる内容があるか。
③探究的な活動となるか。
④そもそも、「自分」が楽しめる教材なのか。

という4点を意識しましょう。

①子どもの興味・関心に即しているか。

子どもの興味・関心は、学習を進めていく上で欠かせないものです。教材の選定に自由度がある総合だからこそ、「子ども主体」で進めていくことができる教材を選びたいものです。ちなみに、僕の学級では「写真」を教材化することを予定しています。その理由は、昨年度の「地域に出る」活動を定期的に行う中で、

「こんなきれいな景色の場所があったんだ。」

とつぶやいた子どもの言葉から、「地域の良さ」をテーマに写真におさめて写真展を開くことで、住んでいる人も見逃してしまうような素晴らしい景色を提供し、地域に対する愛着を深めていくというねらいを構想しました。

このように、子どもたちの言葉や普段の姿から興味・関心、もしくは問題意識を捉えて「教材化」することが必要です。あまりにも非現実的な意見しか出てこない場合は、教師側からさり気なく提示し、子どもを巻き込んでいく方法もあります。とにかく、難しく考えて取り組む時期を逃すよりも、少しでも面白そうな教材を見つけたら挑戦してみることが大切です。スタートをして、子どもの興味・関心を持続できなければ、教材を改めても良いでしょう。とにかく、スタートを切り、走りながら考えていきましょう。

子ども一人ひとりで活動できる内容があるか。

計画段階で確認したいことは、「子どもが夢中になれる活動があるかどうか。」です。座学で考えている学習だけでは1年間を貫くことはできません。必要に応じて話し合う活動が、必ず必要になってきますが、活動を基本にすることで、意欲を高めることができます。僕の実践では、「写真を撮影する。」ということが、基本の活動です。写真は、一人ひとりが撮影する必然性があります。さらに、撮影した写真を見合うことで、友達同士の関り合いも生まれます。このように、個別の活動を保証できるかどうかは、活動を継続する上で大切な視点となります。

③探究的な活動となるか。

そして、総合の核となる「探究的な活動」を意識しなければなりません。簡単に言えば、活動を継続する中で「試行錯誤場面」があるかどうかです。「写真」を例にして考えれば、写真撮影のスキル向上、撮影した写真の選択場面、写真展開催の準備方法などなど、子どもたちがアイデアを出し合って解決しなければ進めない壁が待ち構えていることが予想されます。問題にぶつかり、それを乗り越えるために話し合い、協力しなければならない必然性を意図的に準備できるかどうかも、「教材選択」の重要な視点です。

④そもそも、「自分」が楽しめる教材なのか。

最後に、ひそかに最も大切なことは、教師自身が「楽しめる」活動かどうかということが大切です。学習を進めていくといっても、自分自身に教材への専門性がない場合も往々にしてあります。もちろん、子どもでは解決できない部分は教師が手を回して準備をしなければなりません。そのような準備が多様で時間がかかるからこそ、総合の教材研究が後回しになってしまいます。継続的に取り組むには、教師自身が興味・関心をもち、意欲的に関わっていかなければならないのです。

このように、総合的な学習の時間は、例年度のもカリキュラム通りということではなく、1から単元を立ち上げなければスタートできないこともあります。大変なことも多々ありますが、総合学習が充実している学校ほど、学力にも結び付くという結果を聞かれます。子どもと共に自分も楽しみ、新しい教材にどんどん挑戦していきましょう!

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