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点字で世界を繋ぐ

 今週のNHKラジオ第2の「視覚障碍ナビラジオ」は良かった。
 点字で世界を繋ぐというテーマで、私のように日常的に点字を使用している人や、人生の途中で目が見えなくなって点字を習い始めた人や、そのような人たちに点字を教えている人など、点字という物を様々な立場や視点からクローズアップされていたのが、点字好きとしてはとても興味深かった。
 その中でも特に印象深かったのは点字の教え方についての話だった。
 番組内で紹介されていた京都の某施設では、オセロの駒を6点で表す点字のように、縦三つづつ2列に並べて、たとえば点字で「あ」と書く場合1の点が一つなので、右上の駒を白にして、それ以外の駒は黒というように、白い駒の数で点字を覚えていくという方法で教えているのだそうだ。
 なるほどー、確かにこのやり方なら中途で視覚障碍になられた方でも分かりやすいかもなあと思った。
 また公共のトイレに入ると、水を流すボタンには「流す」と、呼び出しボタンには「呼び出し」などと点字で表示されているところがあるが、流すの「な」と、呼び出しの「よ」の一文字だけでも読めるようになれば、一人でトイレに入った時に困らないよというような伝え方にも関心させられた。
 今後もしかしたら何かのご縁で点字を教える立場の人間になるかもしれない。そうなった時に、幼い頃から今までずっと使い続けている点字をどうやって人に教えたら分かりやすいのか、その教え方を知りたいと思っていたところでもあったので、それらの話はすごく参考になった。

 先日投稿した『私のnoteの書き方」でも触れたように、普段記事の下書きはブレイルメモという機器を使って点字で書いている。その後点字の下書きを読みながら、画面音声読み上げソフトが入ったパソコンに打ち込み、noteのPcサイトから投稿し、その後iphoneアプリから見出し画像やタグをつけてアップしている。
 そのような話を書いたところ、予想以上の反響だった。たぶんnoteを始めてから1番コメント数が多かった記事かもしれない。
 さらにフォロワーさんの記事でご紹介していただけたのも初めてだったし、その記事がきっかけでブレイルメモに興味を持って調べてくれたフォロワーさんも居た。
 私がこうしてエッセイや詩などの文章を書いて発表し続けていくことで、ほんのちょっとでも点字や視覚障碍について知ってもらえるようなきっかけになってくれたらという思いがある。記事を投稿したことで、ようやくその思いにほんの少し繋がったような気がして嬉しかった。
 詩人・全盲noterとしての活動はもちろん、今後ずっとやりたいと思っている点字本の製作に携わる仕事をするにしても、さきほども書いたように誰かに点字を教える人になるにしても、どのような形であれ、私はこれからも点字で世界を繋ぐ、あるいは誰かに点字と世界を繋ぐきっかけを与えられるような役割を担う人になれたらと思っている。

※追記
 今回の「視覚障碍ナビラジオ」ですが、この後夜7時半からと、次の週の土曜日の午後3時15分からNHKラジオ第2で再放送があります。またNHKの聞き逃しサービスのらじる★らじるでも1週間限定で聞くことができるので、興味があればぜひ聞いてみてください。

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