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それだけ毎日歩いていたのかー!

 「羽田さん、白杖の石突(杖が地面につく端っこの部分)がだいぶすり減ってきていてそろそろ限界かも」
 外出から戻ってきて応対してくれた日直のスタッフさん(ちなみに私の担当の歩行訓練士さんでもある)がそう教えてくれた。ここnoteで訓練施設での生活や、視覚障碍に関する記事をアップする時の見出し画像に使っているあの白杖である。
 すぐに杖の先っぽを触ってビックリした。
 もともとはティアドロップ型だったそれが、スタッフさんの言うように、ティアドロップの丸い部分が確かにすり減っていた。
 この石突をつけたのは一昨年の9月だった。それからまだ1年半ぐらいしかたっていないのだ。たったの約1年半で、元の形が思い出せないぐらいにすり減ってしまっていたとは本当にビックリである。
 ちなみに杖の下の方のメッキもはがれかけているように感じた。これは近いうちに、今居る訓練施設の系列の視覚障碍者情報文化センターに問い合わせて、石突の交換や白杖のメンテナンスをしてもらわなければ。

 それにしても、一昨年の9月に石突の交換をしてもらった時は、前前回の交換から4年ぐらいたっていた。だから今回もまだだいじょうぶだろうと、石突の様子はあまり気にしていなかった。
 改めてよくよく考えてみると、大阪に出てくる前までの2.3年は、週に1.2回ヘルパーさんと近所の散歩や定期通院で外出する程度で、白杖をついて一人で外出する機会はほとんどなかった。
 でもそれが今では毎日銭湯に行ったり、買い物や通院も白杖を使いながら単独で歩いている。かつての職場など、知っている人に会ってしまうことへの恐怖や、適応障害や過敏性腸症候群からくる精神的な不安から家にひきこもりがちだった自分からは創造がつかないことである。
 石突のすり減りの速さから、今の自分はそれだけ毎日歩いていたのかーと感動すら覚えた。そのぐらい自分は20代の頃のようにまた一人でも歩けるようになってきているんだなあと、また一つ自信がついた。

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