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たまご焼き求めて108km ~湘南ベルマーレフットサルクラブ観戦記~

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改めて、現代は便利だと思う。

自宅から今回の会場、小田原アリーナまでは電車で約3時間。Google先生によると徒歩22時間45分、108kmの道のり。

もしも僕が江戸時代に生まれようものなら、1時間の試合のために往復2日費やさないとならない。電車、いつもありがとう。愛してる。

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さて、前回の初観戦から約1ヶ月半。

あのときはベルマーレサポーターのソウルフード、花水ラオシャンのタンメンをご馳走になり、うちわやステッカーをいただき、平塚名物の弦斎カレーパンをお土産としていただき、感無量でございました。
会う人みんな優しい。ほんと暖かい街、人。


今までに4回平塚に足を運んで、僕はもうベルマーレの虜なのだけれど、なにせ自宅から遠い。チケット代に加えて交通費、食事代。正直きつい。

財布的にはカラータイマーが煌めいている。

次に来るのはもう少し先かな、あのときはそう思った。まさかこんな早く来れるとは。

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話は2週間前、いつものようにTwitterのタイムラインを眺めていると、

ベルマーレオフィシャルパートナー、トップツーシステムさんのチケットプレゼント企画が目に入った。カタカナ多くて読みにくいね、ゴメンネ。

当たればいいな~と軽い気持ちで応募。
すると1週間後、DMで連絡が。内容はお察しの通り。


せっかくいただいたチケット。無駄にするわけにはいかない。ベルマーレが僕を呼んでいる。


今回は共同開催ということで、3試合組まれていた。
でも小田原に行くのは初めてなので、ベルマーレの試合までは周辺を探検することに。

そこで、サポーターのみなさんに聞いてみた。

教えてくれた、拡散してくれた方々、本当にありがとうございます!

ということで、旅の準備も万端。
ここからは当日の観戦記になります。


はじまりはじまり~。


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自宅を出発したのは朝9時。
富水駅には12時着予定、約3時間の旅。
本を読んではyoutubeを見る。その繰り返し。

新宿で総武線から小田急に乗り換える。
車窓は緑色の面積が徐々に増えていく。

雪化粧をしていないスッピンの富士山を横目に、富水駅に到着。

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富水というくらいだから、水に富んでいるのかな~とか思っていたけど、その通りみたい。駅のすぐそばに小川が流れていた。
地名って面白いね。

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目的地は事前に教えてもらった「パピロン」というお店。なんでも、ベルマーレの選手たちも足を運ぶ美味しいパスタ屋さんらしい。

駅から歩いて5分ほど、かわいい子犬の看板が目印のお店が見えてきた。

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見ればわかる、美味しいお店の外面や。

昭和の喫茶店みたいなレトロ感といい、「いらっしゃいませ」のフォントのクセといい、こんなん美味しいに決まってますやん。

平成生まれなので昭和は知らないんですけどね。

中に入ると、外の人通りとは裏腹にお客さんで賑わっていた。優しさが滲み出てるお母さんに案内され席へ。

たくさんの種類があって、どれにしようか悩んだ結果、「ほうれん草とベーコン」を注文。
お店の名前がついた「パピロン」がおすすめのようだったけど、海鮮系が苦手なので断念。

隣の親子の、「どっちが美味しそうにパスタを撮れるか選手権」の決着を見届けながら待つこと10分、注文の品が運ばれてきた。
ちなみに勝者は娘らしい。下馬評通りだね。

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懐かしさと上品さを兼ね備えたアツアツのパスタ、これは旨い。


注目は、レモンを搾るためだけに作られたであろうこの器具。名前があれば教えてほしい。

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こんなところにまで気を使えているパスタが、美味しくない訳ない。他のお客さんが食べてるパスタも全て美味しそう。ぜひ再訪したい。

ペロリとたいらげ、大満足でお店を後にしました。


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パピロンを出て、次の目的地は小田原城。
再び富水駅に戻り、電車で揺られること約10分、小田原駅に到着。

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改札を出て城に向かう道を歩くと、城下町の風情を漂わせるお店がたくさん並んでいた。
コンセプトが定まっている街は、歩いていて面白いね。

有名なかまぼこ、ういろう、梅干し、海鮮以外にも、ハイカラなカフェや美味しそうなイタリアン、フレンチなどのお店がいくつもあった。
どこも雰囲気が良くて、ここでランチをするのも間違いなく楽しいと思う。

駅から歩いて約5分、お堀が姿を現した。
近代的に栄えた街の中にポツンと城がそびえ立っているのは、とても不思議。

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ハンサムな鳩が目線を送ってきたので、1枚撮ってあげた。

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橋を渡り城内へ。
階段を登り常盤木門を通過すると、天守閣が見えてくる、はずだった。


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ん?

猿?

小田原城は動物園としての役割も併せ持つ、ハイブリッドな城なのだろうか。これが現代を生き抜く、新しい城のスタイルなのだろうか。

しかし猿は猿で、集まった子どもたちの必死の呼び掛けを、頑なに無視して背中を向け続けている。
花より団子の道明寺か、お前は。


頭の中に浮かび続ける疑問と格闘しつつ、目的の本丸へ。城の中に入るというのは生まれて初めてなので、ちょっとワクワクした。

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城内は展示物や資料などが並んだ博物館のようになっていて、城と小田原周辺の歴史を学ぶことができた。

歴史って面白いよね。過去を学べば、今と未来が見えてくる。
湘南ベルマーレというチームは、どのような歴史を歩んできたのだろう。湘南スタイルが創る未来は、僕たちに何を見せてくれるのだろう。
ふと、そんなことを思いました。

最上階の天守閣からは相模湾が一望できた。次は晴れてるときに来たいな。

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城を降りて、道明寺にも別れを告げた後は、いよいよフットサル観戦へ。

小田原駅から2駅、螢田駅。
螢が見れるのかな。

夏の忘れ物みたいな暑さの中歩くこと15分、今回の闘いの舞台、小田原アリーナに到着。


アリーナに入る前、外の芝生広場では「ベルマルシェ」が開かれていた。

素敵なクラフトショップを始め、救急車の中が見れたり、Jベルマーレにも来ているキッチンカーが並んでいたり、、

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奥の芝生では、フウガドールすみだのユニを着た親子がボール蹴って遊んでいた。
この光景が増えれば、この国はもっと豊かになる。気がする。


一通り見て、いざアリーナ内へ。
入ってすぐに、選手が迎えてくれた。

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様々なブースが並ぶ中、かげつカフェの売店が目に入った。
サポーターの方に教えてもらった、厚焼きたまごのサンドイッチ、通称「たまごサンド」を食べることが、今回の旅最大の目的と言っても過言ではない。

売店でそれらしきものを探すも、無い。

坂:たまごサンドありますかー?
店員さん:ごめんなさい…、売り切れです…。


湘南ベルマーレフットサルクラブ観戦記
--- 完 ---






悔しい、悔しすぎる…。
そう簡単に食べさせてはくれない。かげつカフェ、まるで難攻不落の小田原城。上杉謙信や武田信玄はこんな気持ちで侵略を諦めたのだろうか。

脳内で合戦が始まりかけたのをグッとこらえて、潔く諦めた。いいさ、また来るときに食べればいいのさ。


入場時にはフィウーザが表紙のマッチデープログラムと麦茶をもらった。相変わらずイケメン。生まれ変われるならフィウーザの顔で転生したい。

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コートでは、バサジィ大分とFリーグ選抜の試合が行われていた。

結果は6-1で大分の快勝だったけど、Fリーグ選抜の気持ちのこもったプレーと、真摯な振る舞いが印象的だった。
最後のスタンドへの挨拶も、みんなめっちゃ大きな声で感謝を伝える。ひたむきさが嫌いな人はいない。頑張ってほしい。

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次のベルマーレの試合まで時間があるので、腹を満たすことに。

釜揚げしらすのホットサンドやガパオライス、厚木B級グルメのホルモンなど、どれも美味しそうでだいぶ迷ったけど、ガッツリ食べたかったのでローストビーフ丼に決定。
バエる写真って難しいね。

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ローストビーフなんて普段なかなか食べれないので、一枚一枚噛み締めるように食べた。
旨い。そしてお店の人の笑顔が素敵。Jにも出店しているそうなので、また食べたい。


アリーナに戻ると、両チームがアップをしていた。
知らないうちに観客の人数もかなり増えていて、戦闘準備は万端のようだ。

アップが終わると、ベルマーレの選手たちは円陣を組む。そしてベルマーレビッグウェーブを歌い始めた。ファンも一緒になって。

アンセムのあるチームは、それだけで魅力的に感じる。音楽には不思議な力がある。ここにも、歴史が詰まっているんだろうな。

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戦闘服に身を包んだ選手たちが、ピッチにでてきた。ファンはみんなタオルを掲げてアンセムを歌う。この雰囲気は、何度体験しても格別だ。僕も自然と口ずさんでいた。

前節Fリーグ出場100試合を達成したフィウーザへ、花束の贈呈。
美しい奥さんと髪型が全く同じの息子さんも揃って写真撮影。おめでとうフィウーザ!

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Parabéns!! Fiuza!!

両チームによるRespect宣言のあと、キックオフの笛が鳴り響いた。


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ベルマーレサポーターの迫力あるチャントをBGMに、試合が進んでいく。
何度も聞いているせいか、歌詞もおぼえて自然と口ずさめるようになった。今では風呂でもたまに歌っちゃう。生活の一部がベルマーレになっている。


試合は7分、立川府中の内田選手に先制点を奪われてしまう。全く気落ちすることのない選手・スタッフとスタンド。これだ、この姿こそベルマーレだ。

12分、ロドリゴのシュートが相手のオウンゴールを誘い同点。揺れる小田原アリーナ、MCのコールにスタンドがレスポンス。最高じゃねーか。

前半は1-1で終了。
フットサルのことはよく分からないけど、両チームとも非常にアグレッシブで、見ごたえのある試合には間違いなかった。

後半も出たしからから走る、走る。
猛烈なプレッシャーでゴールに迫っていく。

しかし立ち上がり2分、立川府中の渡邉選手にゴールを許し、再び追いかける展開に。

こんなハラハラな展開こそ、ベルマーレの魅力の一つかもしれない。もちろん序盤から点差を広げて余裕のある試合運びをするのが、競技としての理想だ。

だけど、そこじゃない。勝つか負けるか、刺すか刺されるかのギリギリの展開こそベルマーレの真価が現れ、人を魅了する。そして最後に踊る。
こういう緑と青の勇者たちが、僕は好きだ。


11分、セットプレーから内村選手のボールに高溝選手がうまく合わせ、同点。
再び湧き上がる小田原アリーナ。

さらに直後、立川府中の選手が退場となり、2分間ベルマーレが一人多く闘う展開に。
スタンドからはラピュタのチャント。これは熱い。

なんとしてでもこのチャンスを活かしたかったけど、立川府中GKクロモト選手がビッグセーブ連発。僕も「あ~!」と言いながら体を何度も仰け反らせた。


5人vs5人に戻った後も、ベルマーレは猛烈な勢いでゴールに迫るが、勝利の女神は立川府中に微笑んだ。
後半19分59秒、クロモト選手のロングパスから渡邉選手がゴールに流し込む。

歓喜に沸く立川府中・アスレティックFC、ショックを隠しきれない湘南ベルマーレ。最後の最後まで何が起こるかわからない。これがフットボールだと、教えられた気がする。


2-3、ベルマーレにとっては悔しすぎる敗戦。
普通だったらブーイングが飛んでもおかしくないけど、スタンドからは惜しみない拍手。勝ち負けが全てじゃない、闘う姿勢と覚悟があるかないかだ。今日は立川府中のほうが強かっただけ。それだけの話だ。


とはいえ、やっぱり応援しているチームが負けるのはがっかりする。少しばかりブルーな気持ちで駅に向かう、そして再び3時間の移動。

全部が思い通りになる旅なんてつまらないよね。試合の勝敗にしても、たまごサンドにしても。ドキドキワクワクして、また新しい旅に出る。新しい発見をする。
これこそが、スポーツ観戦という旅の醍醐味だと思います。


電車はね、ぐっすりですよ。何度乗り換えを寝過ごしかけたか。一人旅最大の敵、眠気。いい眠気覚ましがあったら教えて欲しい。
23時、帰宅。シャワー浴びて歯を磨いて、死んだように寝る。さすがに疲れた。

でも、いい日になった。往復6時間216kmの旅。行ってよかった。


次こそは、たまごサンドをいただく。


食べれても、何度も行くけどね。


湘南ベルマーレフットサルクラブ観戦記でした。


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最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

初めて小田原に行きましたが、歴史を学んで、人と関わり、街の風を感じれて、とても充実した旅になりました。
教えてもらったけど行けなかったお店や、歩いていて気になったお店もたくさんあるので、次回も楽しみにしています。

一番の楽しみは、ベルマーレのダンスです。


いや、たまご焼きだな。


この記事は投げ銭制となっています。
ベルマーレ以外にも様々なスポーツを観戦して、チームや街の魅力を発信する記事を書いています。
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次は、どこへ行こうかな。

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