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豪雨災害から奇跡の復活!「天空の茶畑|豊好園」 その特別茶を届ける話

<本記事は2023年12月に内容更新しています>


〈プロローグ〉

2年前の2021年4月。
前職の同期が奥さんと一緒に当店へ買い物に来てくれました。

そこで、奥さんから「静岡でお茶を作っている親戚がいるんですが、とても人気があって、お茶づくりが間に合わないそうなんです」というお話を伺いました。

「思い立ったが吉日」ということで、すぐに茶畑に伺う段取りを。

それから数日後、静岡県の山間部/両河内(りょうごうち)
高速道路を下り、山奥に向かって細い道を駆け抜け、その茶畑「豊好園」さんに辿り着きました。

そこはまさに、“天空の茶畑”
転げおちそうなほどの急斜面は、お茶づくりには厳しい環境。
そして、お茶の味には最高の環境でした。

当時、茶畑を眼下にお茶を楽しむ「天空の茶の間」は大人気
私も3ヶ月以上も予約を待って再訪しました

しかし、昨年9月23日。
台風15号による記録的な豪雨が静岡県の山間地域を襲いました。

"天空の茶畑"にも甚大な被害が

50年もどんな台風も全く心配ない茶畑だったのに。
今回は耐えられませんでした。
残念ながら天空の茶の間がある畑は一番上からの土砂に飲まれ下までなくなってしまいました。

当時、「豊好園」片平次郎氏のSNSより

記録的な災害から一年以上の長い月日。
想像のおよばない難局に直面しながら、片平氏は「美味しいお茶づくり」を諦めませんでした。

今年、現地に再訪
残された茶畑は、やはり最高の環境です

そして本年9月。
全国茶品評会という国内最高峰の茶葉が集まる、年に一度の入札会に「天空の茶畑|豊好園」さんの茶葉は出品されていました。

茶葉本来の力を存分に引き出した素晴らしい茶葉

奇跡の復活を遂げた「天空の茶畑|豊好園」
紆余曲折を乗り越え、当店とコラボレーションした最高傑作を皆様へお届けします。

〈作り手について〉

「作物は足音が好き」という先人の教えを守り、心が伝わるお茶をつくり続ける片平次郎氏。

私が何かをお伝えするのではなく、ここでは「作り手」の想いをそのまま転記します。

私たちのこだわりは1つもありません。
ただお茶の言う通りに動くだけです。

人間のエゴを一切排除し、人とお茶が対等の立場である事。旨みを追求し多くの肥料を撒き、河川を汚染してまでフォアグラのようなお茶は作りません。

〜お茶自らが生み出す旨みや香りを最大限に引き出す栽培・製茶にて「お茶は自然のもの」であることを感じていただけるよう大切に茶葉に仕上げる。

それが茶農家の仕事だと。

「豊好園 オフィシャルサイト」より
お茶づくりは父・豊氏とともに

〈モノづくりについて〉

全国茶品評会は2023年度で77回目を数え、年に一度「各年の全国No.1(=最高品質)の茶葉を各種別ごとに審査・決定」する場です。

当店は過去には最多額を落札したことも
写真中央は、東京繁田園創業者の繁田弘蔵

全国茶品評会に出品された茶葉は「出品茶」と呼ばれ、審査会の後、全国の茶業者が参加する入札方式によって販売されます。
ブラインド(他の業者の入札額はわからない状態)で入札し、一番高い値段をつけた茶業者が購入できる仕組みです。

実際に出品された豊好園さんの出品茶
撮影時、このお茶を落札できるかはまだわかりません

「この茶葉をお客様へお届けしたい」という強い想いはありましたが、入札は公平なルールのもとでの一発勝負。

また、お客様へ「適価」にてお届けするためには、ただ落札すれば良いのではなく、それ相応の価格で入札しなければなりません。

そして結果、無事に落札。

豊好園さんの茶葉を主原料に、京都・宇治にある提携先の工場にて、当店独自に合組(ブレンド)後、最終仕上げ加工をおこないました。

〈商品について〉

お茶の印象を一言で表すならば「生命力の輝き」

作り手の想いにもある「お茶自らが生み出す旨みや香り」が、豊好園さんの丁寧なお茶づくりと当店の合組・仕上げ技術によって最大限に引き出され、品評会出品茶ならではの上質な香りと凝縮された旨味を、存分に楽しんでいただける、最高クラスの煎茶です。

水色は輝く黄金色

写真にあるように薄い水色でありながらも、口に含むと、その圧倒的な旨味に驚かされることでしょう。「お茶の概念が変わった」「まるで高級なお出汁を飲んでいるみたい」といったご感想も続々いただいております。

針のように尖った茶葉は太く艶々としており、
見るからに生命力を感じさせます

また、山間部のお茶に特有の「青く清々しい自然由来の香り=本質香」をたしかに感じることができ、後味には爽やかな香気が鼻腔を抜けていきます。

パッケージでは、茶畑の幻想的なロケーションを美しいイラストで表現し、「雲海の夜明け」と名付けました。ぜひ、朝陽を受けて光り輝く夜明けの雲海に思いを馳せて、お楽しみください。

詳しく淹れ方を説明したしおりがつきます

豊好園さんのPV。雲海の広がる早朝の景色はまさに絶景です。

〈ご購入方法〉

単品販売はこちら

2ヶ月ごとに30g×2種類の季節の日本茶が届く定期便「季節のお茶便り」の12月回にて、こちらの「品評会出品茶 雲海の夜明け」をお届けします。
いろんな種類の季節のお茶を、少しずつお楽しみたい方はこちらがおすすめです。

オリジナル茶缶がつく、全6回版(1年コース|全12袋×30g)はこちら

全3回版(半年コース|全6袋×30g)はこちら

豊好園さんのオフィシャルサイトはこちら

〈淹れ方&楽しみ方〉

一般的な煎茶と比較すると「茶葉は多く」(多すぎないようご注意ください)、「湯量は少なく」という贅沢な淹れ方がおすすめです。

【お一人用】
茶葉の量:6g
 湯量:100ml
 湯温:60-70℃
 抽出時間:90秒

【お二人~三人用】
 茶葉の量:9g
 湯量:150ml
 湯温:60-70℃
 湧出時間:90秒


【湯温の調整方法】
①沸騰したお湯を湯呑みに移して湯量をはかり、その後、湯冷ましへ
②再び湯呑みへ移した後、急須へゆっくり注いでいただきますと、70℃前後になります。
※湯呑みや湯冷ましが持てない程熱いと感じる場合は、さらにお湯を移し替えて冷ましてください。
※急須へお湯を注ぐ際は、お湯を茶葉に直接当てず、急須の内側を滑らせるように注いでください(そこでも湯温が下がります)
※湯冷ましがない場合はマグカップ等でも問題ありません

【美味しく淹れるポイント】
・湯呑みにお茶を注ぐときは、一気に注ぐのではなく、3回程度に分けて注いでいただくことで、急須の中の茶葉が適度に揺られ、旨味が抽出されます
・最後の一滴は、茶葉の旨味が凝縮された「ゴールデンドロップ」です。急須の中にお茶を残さず、最後の一滴まで湯呑みに注ぎきってください
・2煎目は1煎目より少し熱め(70-80℃前後)のお湯で、10-30秒程度サッと抽出してお淹れください

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