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忘れ去られた物語

とあるアニメーションに「落語」をテーマとして取り上げた
作品があります。

主人公は森に住むタヌキ。
ひょんなことからニンゲンの世界へ行くことになります。
そこではニンゲンに化けて用事を済ませなくてはいけません。

そのタヌキはニンゲンに化け、色々なイタズラを仕掛けますが
ことごとく見破られてしまいます。

中々上手くいかないタヌキが最後に化かそうとしたのは
なんと超人気の落語家。

しかし彼女も大きな秘密を抱えていてます。

そんな2人(?)と落語が絡んだとてもユニークな作品です。


その作品で落語家のキャラクターは

人はすっかり化かされることを忘れてしまった。
でも、心のどこかで化かされたいと思っている。
だから落語を聞きに来る……

というようなことを言っていたと思います。


なるほどなるほど。

忘れてしまったその「心」のようなものを
どこかで取り戻したいと思っている…・‥

ということですかね。


たしかに大人になってしまうと
子どもの頃のように考えたり、行動したりするのは
少し難しい場合もありますね。

「もう子供じゃないんだから……」

なんて言葉を投げつけられたことがある方々も
たくさんいるのではないでしょうか。

そうはいわれても
我慢できない時ってありますよね。

もちろん「大人の対応」が求められるのはよくわかっているのですが

それでも何かを言いたい時
思いっきり泣きたい時
すべてを投げ出して逃げ出したい時

大人になってしまっているがゆえに
子ども心が必要な時ってあると思うんですけどね。

多くの人々が過去においてきたものが
後々大切になることもあるのではないでしょうか。


今からもう1000年以上も前のこと
現在のインドネシア・バリ島には
とある寺院がありました。

そこは当時の王朝の王様が造ったと推測されているのですが
真偽は今も不明だとか。

その寺院は王朝の衰退とともに忘れ去られ
いつしかジャングルの中に埋もれてしまいました。

そこから何百年も経った後
そこを訪れたイギリス人のラッフルズという人が
その忘れ去られた寺院を発見しました。

様々な事情があり、その修復などは長い間行われていなかったのですが
50年ほど前の1973年、ようやくユネスコが中心となって
その修復が始まりました。

その寺院は「ボロブドゥール」と呼ばれていて、
現在では世界遺産にも登録され
観光に行く人々も多いとか。

近年はコロナウィルスの影響でアクセス以前に
入国や観光のルールが頻繁に変わってしまいますから
もし行く際は十分に情報を収集してください。


一応誤解のないように書いておきますが
あくまで事実を書いているだけで
西欧列強諸国の植民地支配を支持しているわけではありません。

ただ、その忘れ去られた存在が
いまや立派な文化的価値のある遺跡となり
観光資源にもなっている
ということを書きたかっただけです。


時にはそういう存在に目を向けてみるのも大事では?
というニュアンスが伝われればと思います。


冒頭で触れた物語で扱っている「落語」

一応今でもテレビ番組などもありますが
最近の人々は家にテレビを持たないことも多々あるそうです。

そもそも落語を観る人も演じる人も減っているそうですので
このままでは業界が廃れていく一方なのかもしれません。

それでも日本の伝統文化でありますし
演目のストーリーだけでも追ってみると
意外とクスッとなることもあります。

ここで落語=忘れ去られた物語
と書いてしまうとそれはそれで関係者の方々には
失礼かもしれませんが

日の目を浴びなくなってきていることは事実でしょう。

ですがそんな存在も
アニメーションとして人気の作品になっているわけですから


案外世の中わからないものですね。


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