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大きくなったらなんになる

今日、がんも3歳が、

大きくなったらなんになる〜♪
大きくなったらなんになる〜♫

と、朝からひたすらにうたっている。

そんなわけで、メロディが頭から離れない。

大きくなったら、なんになると思っていたのかなぁわたしは。

幼稚園のときは、ケーキ屋さんになりたかった。
その後は、幼稚園の先生。
小学校の卒業文集には肝っ玉母さんと書いた。
中学になったら、英語が好きで通訳になりたいと。
高校は…目の前のことが全てで全然考えてなかった。
大学生では、手当たり次第自分のトキメキを大事にして就活をしていた。

何になりたいのかは漠然としていた。
でも、何にでもなれる気がしていた。

今までの人生で1番未来を見つめていたのは、
中学のときだったかもしれない。

中学1年生の時、学校は少し荒れていた。
目に見えて何かが壊されたりはしないけど、
鬱々としていて、行き場のないパワーが充満していて、ギスギスしていた。
自分の居場所がわからなくて、常に不安定で、今日味方でも明日は敵、という感じだった。

特に夏休みが明けて、新学期が始まる頃、
部活で3年生が引退して1年生も本格的に練習が始まるようになってから、
主力メンバーとして2年生の練習にまじるわたしとペアへの風当たりはとても強くなった。

ヒソヒソ、影で悪口を言われるのがわかる。
あからさまに悪口だ。
わたしのことだな、と思うと、心臓がヒヤッとして、息がうまくできなくなった。

早く大人になりたいな。
大人になったら、好きな場所で、好きな人と暮らす。
仲間がいたら最高だな。
やりがいがある仕事ができたらうれしいな。
とにかく、早く大人になりたい。
ここから出て、楽になりたい。
自分の稼いだお金で、好きなことをして暮らしたい。

学校に行きたくない日も、心臓が千切れそうに痛い時も、うまく息ができない時も、
まだ見ぬ未来のわたしに想いを馳せた。

負けるもんか。
負けるもんか。

でも、1日だけ、これはダメだな。と思って学校を休んだことがある。
確かお母さんに、お腹が痛くて行くのは無理そう。と伝えて、その日は部屋でボーッとしていた。

夕方先生が2、3人でやってきた。
このままわたしが学校へ来れなくなってしまうんじゃないかと、心配してくれたらしい。

先生方は優しかった。
寄り添ってくれたし、わたしが現実的に戦う方法を教えてくれた。
その日わたしが休んだことを心配してくれた子が、ひっそりと先生に声をかけてくれたと教えてくれた。

しばらくは結構激しく荒れていたけれど、
どこかに味方がいるとわかったその日から、わたしは少し強くなった。

大人になったわたしは、全然何者でもないけれど、
あれからたくさんの人と出会って、
バカな話をして笑い合ったり、つらいときに寄り掛かれる友達ができて、
好きな人と結婚して、かわいい子どもを産んで、
悩みは尽きないけれど一応やりがいのある仕事をしている。

大きくなったわたし、悪くないよ。
あのとき、諦めずに生きていてくれてありがとう。

今も、正直あのときみたいに追い詰められることはなくはないけれど、
あのときと今と違うことは、友達ができたことです。

つらいことを経験したあなたは、人の痛みを感じることができて、
つらい想いをしてる人にハグしてあげられる人になりました。

ありがとう。

あのときのあなたにしてあげられることはないけど、
今、苦しんでいる人がいたら、荷物を半分持ってあげられたらいいなと思うよ。

あなたの苦しみを無駄にしないように、ゆるゆると元気に生きていくね。

ちなみに、がんもは、

大きくなったらピカチュウに〜♪

と歌っていました。
…ピカチュウになるんや…。

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★今日の1枚★
洗車が怖くて必死に隠れるがんも。

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