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何度でも読み返したいnoteの記録
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2020年2月の記事一覧

女の子だらけのポスター問題から読み解く広告の難しさ

広告業界を目指す人に、宣伝会議を知らない人はいないと思う。 ウィキペディアによると「株式会社宣伝会議(せんでんかいぎ)は、宣伝・広告・環境に関する雑誌、新聞、書籍を出版する出版社である。日本で初めて広告専門誌を創刊した」らしい。 コピーライターになりたいとググれば宣伝会議賞やコピーライター養成講座が検索上位に出てくるし、amazonでビジネスライティング一位の「言葉ダイエット」や、クリエイターのバイブルである「ブレーン」等の雑誌も宣伝会議から出版されている。 そんな宣伝

バルセロナで聞いた「守られない約束の意味」の話

 疲れていた。ギャラリーめぐりで歩き回ったからだけではない。数日前に作品を買いたいと言ってた女性が、結局、買いに来ないことになったからだ。個展を見に来ると言ってくれたアートディレクターも、今のところ音沙汰がない。楽しみにしていただけに、残念に思う。  バルセロナには町中に小さな広場があって、町の人がタパス(小さい料理)を楽しんだり、カフェしたりしている。私は広場のベンチに座って、曇り空を見ていた。ここしばらくは、雨が続くらしい。  一つうまくいかないと、うまくいかなかったこ

「底辺声優の所感」への写真家兼文学研究者からの所感

銀行口座を作るのに30分以上待たされている間、ツイッターのトレンドに上がってきた「底辺声優の所感」というものすごいパワーワードに惹かれてクリックすると、最近よくあるように、noteの記事が参照されていました。トレンドに上がってくる「所感」がどんなものなのか興味があって読み始めると、興味本位で開いたのが申し訳ないほどの重たい内容でした。一人の「底辺声優」に、日本の社会的な矛盾が凝縮されているような気がしました。そして身につまされた。 筆者は文章の最後に次の夢への挑戦を語られて

人のいない美術館を堪能する贅沢。 「 #emptymoriartmuseum 」

六本木森美術館で開催された「#empty(エンプティ)」というイベントに夫婦で参加してきました。 ここではその時に撮った写真33枚を併せて紹介します。 #emptyとは? 2013年にニューヨーク・メトロポリタン美術館で初めて公式に開催されたInstagramを使ったソーシャル・イベント 空っぽの美術館をフォトグラファーとモデルが撮り歩くとてもエキサイティングな内容。実際ものすごく楽しかったです。 こういった取組をしている美術館は、日本でもまだ森美術館だけとのこと。 詳

「休暇に語学留学をプラスする」という欲張りで、けれど新しい人生の選択肢 #UK留学Challenge

2019年を通して、3カ国の語学留学へ行ってきた。期間はそれぞれ、1週間、2週間、3週間。合計1ヶ月半ほどだ。 感じたことも学んだことも色々あれど、強烈に感じたことは「みんな、想像していた以上に、身軽に語学留学に来ているなぁ……?」ということ。 もちろんこの感覚は、「私の気持ちと比べて」のものなのだけれど。 参考までに、「私の気持ち」を前提として書き出してみると、私は語学留学への憧れをすごく持っている人間だった。 大学を卒業して、「ふつうに就職」をして、一般企業2社と

嫌われたのは、誰かに愛される証拠。「誰からも好かれる者は誰からも深く愛されない」

文章は、誰にでも読まれるように書こうとするとかえって誰にも読まれなくなる傾向がある。刺さる文章を書くには、具体的な人を思い浮かべてその人に向けて書く。文章に携わった当初からずっと、そう言われてきた。 きっと、人の好き嫌いも一緒だ。誰からも好かれるを目指そうと思うと、自分の意思や思いを伝える場所が少なくなる。相手の質問に対して、正解を探してしまう。すると自分から出てくることばはとても一般的で、誰が聞いても違和感がない。そしてその代わり、記憶にも残らない。 誰からも好かれる者

結局、"髭男"をフってるのはどんな女なんだ

2019年に大ヒットした「Pretender」という曲。 自分の失恋体験に歌詞を重ねあわせたりして、ホロリと涙を流した人も多いのではないでしょうか。 この名曲を生み出したアーティスト『Official髭男dism』、通称『髭男(ヒゲダン)』は、若者を中心に絶大な人気を誇るロックバンドです。 数多くのヒット曲でチャートを沸かせる彼らは順風満帆かのように見えますが、結成してすぐに売れたわけではありません。 ボーカル、作詞、作曲をつとめる藤原聡さんは、2年間ものあいだ銀行の営