【花材特徴まとめ】デルフィニウム
周年出回り・6月~7月に開花
分類:キンポウゲ科デルフィニウム属
花持ち:5~7日
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花材概要
多くの花店で見かけます。
光を通す花弁(といっても、花弁ではなく苞!)が美しいデルフィニウム。
年間通して出回りますが、6月~7月が旬。
涼しげな印象なのでこれから暑くなる時期に飾りたくなります。
青い色が有名ですが、白やピンク、品種によっては黄色やオレンジも存在します。
とってもとってもたくさんの品種があります。
「デルフィニウム」という名称
「デルフィニウム」の名前は、ギリシャ語の「イルカ(Delphis)」をもじったものなんですって。
イルカを連想しますか??
和名は「大飛燕草(おおひえんそう)」というそうです。
燕が飛ぶような軽やかさや空の色が想像できて、私は和名のほうが「うん、わかるわかる!」と思います。
名前を付けた人たちの見ていたものが見えるようで楽しい。
海を見ていた人と、空を見ていた人と、暮らす国によって違うのでしょうかね。興味深い。
天然の青い色素「デルフィニジン」のこと
天然で青い、このお花の青色素「デルフィニジン」は、青いお花を作るために使われているそうで、
最近よく見る「青いカーネーション」や「青いバラ」もこの色素が利用されているとのこと。
「へ~!」ってなりました。
青いお花から、青い色素を作っているということは、「青い色素」とは人工物なのか自然のものなのか、考え出すとゲシュタルト崩壊が起きそうです。
長持ちさせるために
①大きな葉を取り除く
水上げの勢いはよいのですが、水が下がりやすいです(茎が長いまま飾った場合には特に)。
水が下がらないよう長く咲かせる最初のポイントは、購入してきたら、葉はなるべく取り除くこと。
ちなみに、葉の表面からは「蒸散」といって水分が常に蒸発しています。
この「蒸散」の力で植物は水を上へ上へあげています。
これは全ての花材に共通する植物の仕組みです。
ただ、葉が多いと必要な水分が途中で飛んでしまって、肝心のお花部分まで到達せず、花がしおれてしまうのです。
そういうわけで、全部葉を取ってしまうとそれはそれで、蒸散の力が弱まってしまいますので、大きな葉っぱはなるべく取り去ってしまう(特に下の方にあるもの)ことがポイントです。
手で葉を引っ張ると簡単にポロっと取れます。
左が購入した時。右が、蒸散を調整するために葉を取り除いた図。
(上図のデルフィニウムの種類は「デルフィニウムシネンシス」。)
②黒いカビに注意
ちなみにこのお花、茎に黒いカビが発生しやすくて、葉が多いとその原因にもなるので、購入してきたらすっきりさせちゃうことがおススメです。
また、購入時も黒いものが茎についていないかチェックすると安心です。
③フラワーフード必須
小花がたくさん咲く植物はエネルギー(糖分)を多く必要としますので、フラワーフードは必須です。
ただの水だと、つぼみが咲かずに終わってしまいます。
バクテリアの影響も大きいので、花瓶に入れたら水の様子がいつも見えるところに飾ると異変にすぐに気づけます。
・・・ということで、お花屋さんでこのお花を購入した時は試してみてください♪
参考資料
・『花図鑑 切花 増補改訂版』(白澤照司,平成19,草土出版,)
・『花屋さんの花材が全てわかる アレンジ花図鑑』(竹間勉,2014,世界文化社)
・『切り花の鮮度保持マニュアル 水揚げ&花のケア』(薄木健友,2013,誠文堂新光社)
・『切り花の鮮度保持マニュアル 水揚げ&花のケア』(薄木健友,2018,誠文堂新光社)
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デルフィニウムのアレンジ写真
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