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サービス終了のお知らせ

お久しぶりです、『ただ話を聞く人』です。
2022年入ってから長期に渡って無言でROMっていて、大変心配をおかけしました。ちゃんと生きていますのでご安心ください笑

今回は近況報告と今後の活動についてのお知らせを書いていきます。
少し長文になってしまうのですが、よければ最後までお付き合いください。

結論から先にお伝えすると、
『ただ話を聞く人』としての活動は2022年3月31日を持ってサービス終了とさせていただきます。2020年7月1日から約1年半多くの方に利用していただきありがとうございました。

活動開始当初から大学生活の期間中に活動を終了すると宣言していましたが、予想より1年ほど早く閉めることになりました。最後の数カ月は力を入れられるず、そしてちゃんと言葉にできないままでいたことを大変後悔しています。申し訳ございませんでした。

ここからは長くなりますが、近況報告及び活動を終了に至った経緯について少しずつ書いていこうと思います。


ただ話を聞く人のサービスと葛藤

2020年7月1日から始めたこの『ただ話を聞く人』というサービスについて、改めて説明をさせていただきます。

このただ話を聞く人というサービスは『誰にも話せない悩みやちょっと誰かと話したい人のために話を聞いてくれる場所を提供する』というコンセプトの元私一人で運営されたサービスでした。このサービスには明確なVisionがあり、『誰もが悩みを吐き出せる世界を作る』と世界観を作るのに向かって走ってきました。

そもそも、私自身中学時代からメンタルを病んでいて、誰にも悩みが言えずにいました。そこからネットに入り浸り、知らない誰かと傷を舐め合う日々の中で大学生まで過ごしてきました。それは死んでるのか生きているのかわからないような世界で過ごす日々だったと思います。そこから病院で治療をし、ある程度良くなった段階で、自分と同じような境遇をしている中高生が一人でも減るようにと思い始めたサービスでした。この原体験から生まれたサービスコンセプトや理念に共感していただき、利用してくださった依頼者様や応援してくださった関係者様には大変感謝をしております。ありがとうございました。

そんなサービスですが、初めて半年で依頼者数が100名を超えたりと私の想像する数倍のスピードで成長していきました。そんな時にぶち当たったのが、1人の力では年間数百件しかこなせないという大きな壁でした。一人の人間でやっているサービスだから仕方ないことといえば仕方ありませんでした。ただ自分が救いたい人間の数はもっと多くいて、メンタル疾患を持つ人とそれの予備軍となるようなターゲット層を含めると1000万人となる規模に対しての無力さに常に苦しめられてきました。また、サービスの特性上年齢性別問わず受け付けていた事に対して、自分が救いたい中高生へのリーチ率の低さも課題に感じていました。

oluoluという団体戦

そこで考えたのが、『あなたに合った「話し相手」が見つかるサービス』のoluoluでした。2021年の4月からプロジェクトを開始し、私を含め8名で開始しました。話を聞くサービスの集合体という誰もチャレンジしたことのない領域にいたからこそ数多くの課題に直面しましたが、「その人の悩みに対してそれを得意とする聞き手を提供する」ことが最大の価値提供になると強い想いを持って活動していました。

実際、今でもそういったサービスが世の中にあれば依頼者の方はもっと相談しやすくなるし、聞き手の方は自分のバリューを発揮できる場になるのにと思っています。

大きなの誤算

そんなoluoluですが、いくつか誤算がありました。
まず1つ目は「人間は「誰か」を大事にして相談をする」ということでした。
これはどういうことかというと、人間は得体のしれない人に相談をするのはハードルが高く、逆にこの人に聞いてもらいたいという気持ちの作用が強く働くということでした。私自信ただ話を聞く人という得体のしれない名前で活動していたからこそ、相談業に属人性はそこまで求められていないという誤解と誤信をしていました。依頼が増えれば増えるほど『ただ話を聞く人』に聞いてもらいたいという需要だけが高まり、oluoluというサービスにつなげることもメンバーのブランディング力を育てることもできなかったのが大きな失敗でした。oluoluというプラットフォームを提供しているが故に『誰であるか』が見えづらく、かといって個人のブランドをサービス認知や信用に紐付けられなかったのがお客様に刺さらなかった原因だと考えています。

2つ目の大きな誤算は「拡張性があまりにもないサービスの上に市場が成熟していないこと」でした。1つ目に挙げたとおり相談業に属人性がつきものでした。そのため個々のブランド力がサービスの成長につながり、インフルエンサー的な集団を形成した成長でしか初期のサービス形成が難しいという問題が大きくありました。そういった成長でない限り、いのちの電話等の公共のサービスに漏れた方の受け皿となり法的リスクや聞き手の精神的負荷の高い状態が続く危険がありました。(自分たちの想定していた顧客層へのリーチが難しく、サービス自体が成り立てなかったということです。)
そういったサービス特有の成長の厳しさの他にもマーケットの限界も同時に感じていました。メンタルヘルス業界は年々市場規模が増えています。また顧客となりうるターゲットの人数も1000万人にも上る大きな市場です。しかし、そこに対して「SNSで活動する話を聞く人」や「個人で活動するカウンセラー」だけで獲得できる土台が今はどこにもなかったのです。スモールスタートで自分で開拓していくぞという気持ちはありましたが、採算を摂れるサービスにしていく想定ができず自分の中でも苦しかった想いがあります。誰もやっていなければ顧客も形成できない。更に金銭的な課題もクリアできない。NPOのような団体にしたとしても、ローカリティや柔軟性といった課題がクリアできない。そんな制約に縛られ何一つ解決の糸筋が見えずにいました。

その結果「顧客の悩みに対しての最適化」というコンセプトだけが先に進み、相談業の本質も市場理解も浅いまま12月にクローズとなってしまいました。自分の組織力のなさ、ビジネスへの理解度のなさ、その他もろもろの力の無さには失望しましたし、参加してくれたメンバーに対しては何も還元できず申し訳ない気持ちでいっぱいです。当初から付いてきてくれて、そして一緒にサービスをやってくれて本当にありがとうございました。

ここまで読んでくださった方は少しずつ気づいているのかもしれませんが、僕がサービスを始めたときは「自分と同じ想いをした中高生を救いたい」が中心でしたが次第に「1000万人を相手にした大きな相談事業をやりたい」という気持ちが大きくなるという変化が2021年の間にありました。だからこそ、本気で事業として成り立たせるために様々な企業の方・社会人の方にアドバイスをいただいたり、ピッチに向けて準備をしたりしていました。ただ、やればやるほどこの事業の限界を感じ一旦就職をしようと方向転換をしたのが2021年の秋頃でした。

今でも1人でも悩みを吐き出せずにメンタル疾患を抱える人を減らしたいという気持ちは変わりません。やれるならば、本気でこのメンタルヘルス業界で何か大きなサービスをしたいですし、生涯に渡ってこのテーマはずっと持ち続けると思っています。

就職と事業の本質

2021年の12月頃にも報告させていただきましたが、晴れて就職先が決まりました。うつ病を抱えた身でありながら働けることは1mmも想像できずにいたのですが、まさかのそのまさかで就職先が決まりました。実際に就職するのは2023年の4月なのですが、一足先に9月頃からインターンとして働かせて頂いております。最近はこのインターンでのお仕事に力を入れすぎたあまり、活動に割く時間が確保できていませんでした。

詳しい仕事についてはお話ができませんが、ざっくりお伝えすると新規事業の立ち上げフェーズでお仕事をさせて頂いております。自分がただ話を聞く人という小さなサービスをしていたからこそわかる事業の難しさ、そしてやりがいの両面を日々実感しております。今はそちらで本気で叶えたい世界観があり、その実現に向けてコミットをしています。(その世界観も生きづらさを感じている人が救われるサービスという点では共通しています。)

近年サービスの立ち上げフェーズにおいて大事なことはPMF(プロダクトマーケットフィット)と言われております。PMFとは「提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態」のことを指します。定義自体結構曖昧で、基準は明確ではないですが、簡単に言えば売れる状態を作るみたいなものです。

いかんせんこのPMFというものに辿り着くまでが難しく、その1ステップ1ステップを見ていても『顧客に対しての提供価値』も大事ですし、『市場規模の大きさ』・『そのサービスでのエコノミクス』・『PMFまでに使える資金力』どれもが大事だと実感しております。新しいサービスをやるには圧倒的な資金力が必要で、もし自分で事業をやっていたとしても資金力を集められる力も、そこを説得できるほどのサービス理念も成熟しなかっただろうなと今振り返って思っています。そんなわけで、今は事業とは何かという本質に向き合いながら一企業の中でサービス立ち上げに携わっています。ただずっとこのままでいる気はないですし、いつかメンタルヘルス業界に戻りそこで力を発揮したいなとは思っております。

サービス終了の決断

サービス終了を考え出したのは今年に入ったくらいからでした。
このサービスは総勢依頼者数は200名を超え、相談回数も400回に上る勢いになっていました。半自動的に依頼者さんが増え、ありがたいことに小さなサービスではありながらも1種のコンテンツに成熟したことを個人的には喜んでいました。だからこそ、続けた先に何か大きな機会を得たり、メンタルヘルス業界への影響や相談業に対して何か力になるのではという想いはずっとありました。しかし、1依頼者にかけられる時間もそこへの熱意も冷めてきている中でやり続けることは自分の人生にとって有意義な時間ではないと思い、やめる決断をいたしました。

今まで依頼してくださった方々には大変感謝をしていますし、依頼者の方々から多くの学びや成長を得られました。本当に私と依頼者様とが一緒に作り上げてきたコンテンツだからこそサービス終了は寂しいです。今まで利用してくださって本当にありがとうございました

3月31日にやめる理由とは

この記事をあげている2月末日を持ってやめるのではなく、3月31日にサービス終了にしている理由としてはいくつかあります。

一つは、今まで関係者としてコラボしてくださった方や応援してくださった方と触れ合う時間を作りたかったからです。このアカウントを削除するのか、他のアカウントに転生するのかはまだ決めていませんが、何かしらのつながりとして今できる限りのことはしたいという気持ちが拭いきれず3月末まで活動することとしています。

もう一つは最後に本気で依頼者様と向き合いたいからです。今まで利用してくださった方でも新しい方でも構いません。1年半ほとんど休まずやってきて身についた技術力を最後に提供したい気持ちが残っています。自分の体力の問題などがあり、以前ほど活発的に活動はできるかはわかりませんが3月末まで1ヶ月間だけは依頼を受ける期間とするつもりです。これは一種の未練というものに近いかもしれません。どれだけ自分ができるのか、そして依頼者様の人生に少しでも寄り添えるのかを試す1ヶ月にしたいと思っています。

最後に

大変長くなりました。ここの時点で約4500文字に及ぶ長文を読んでくださりほんとうにありがとうございます。
このサービスは僕にとっては本当に思い入れ深いものです。死にたいと寄り添い続けて約8年、そこから治療を半年、そこから人生に希望が見え始めたときに立ち上げたこのサービスが1年半。生きてることを実感してから始めた最初の大きな行動でした。何度も死と向き合いながらも自分が今までにやりたかったことができた幸せな時間だったと思っています。大学生なんだからもっと遊びなよっとたくさん言われましたが、人生でやりたかったことにたくさんの時間を使えたのは胸を張ってやってよかったなと今では言える気がします笑

色んなことを考え、色んなことにぶち当たり、色んな人と出会い、色んな偶然が開かれたそんなサービスでした。人生には色んな時期があります。死にたくて何もできない時、やけに気力がみなぎって空回りばっかりする時、何かをしなきゃと焦る時、誰かに傷つけられる時、色んな時期があって人間は成長していきます。そんな誰かの色んな時期に寄り添えたサービスになれたのかなと個人的には思います。以前の記事にも少し書きましたが、自殺掲示板にいた生きる希望をくれた名前の知らない誰かと同じような誰でもない誰かとなっていれば嬉しいなと思っています。

約1年半本当に多くの方に支えられてこうやって活動できました。
この場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。今まで本当にありがとうございました。

3月31日まではできる限りのことはしていきたいと思っていますので、ぜひ最後までよろしくおねがいします!


ではまた次の記事で!



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