年の離れたおじさんと付き合っていると
私はもう若い頃からずっと20歳も30歳も年上の、下手すると3回り上で干支が同じのようなおじさんしか好きになれないので、若い恋人同士が当然のようにしていることができていないな、と気づくことがある。
◇
*たとえば連絡の手段とか頻度とか。
私の好きになる世代のおじさんはLINEを使わないことが多く、基本的に連絡はメールか電話だ。(私以外の人とはLINEしてるんじゃない?という意見は聞こえなかったことにする)
私自身あんまり頭が強い方じゃないからポンポンと簡潔なやりとりはできないし、ゆっくり考えてメールを送る方が性に合っているのでそれ自体は別にいい。
でも、頻度が‥‥。
仄聞だが、若い恋人同士って仕事の合間を縫って一日に何往復もやりとりしているらしいではないか。
しかも人によっては毎日。
私、連絡が来るのって週一とかなんですけど‥‥。
多くて三日に一回とかなんですけど‥‥。
それだって、会うためのスケジュールを合わせるだけのものや、私が送った愛あふれるメールに対しての返信なのであり、おじさま発信のことなんてめったにない。たまにあっても、
「来週の火曜日に〇〇があるので見てください」
という、私も見ることができるようなお仕事がある場合にそれを知らせてくれるものだったりして。
メルマガか。
だから「元気ですか?」とか「今日は何してたの?」とかいうメールが来ると舞い上がる。
必要じゃないことでメールしてくれた!
と感激する。
【今日は久しぶりに着物を着て、歌舞伎座で勧進帳を観て参りました。おじさまと一緒だったら楽しいだろうなと思いながら観ておりました。】
【今誰だっけ?】
【〇〇さんです。】
【富樫は?】
【□□さんです。義経は△△さんでした。】
【あなた歌舞伎も好きだったの。じゃあ今度ゆっくり話しましょう】
えーーー!!嬉しい〜〜〜〜!!
「ゆっくり」だって!!(大はしゃぎ)
落ち着け落ち着け。ただ出演者を聞かれているだけだ。
しかもこんな短いやりとり、それこそLINEですべきでしょうよ、みたいな。
でもそんな内容でも2通も3通も往復が続くだけでめちゃめちゃ感動する。
*たとえばデートする場所とか
私は、日本の中だと一番好きなのが京都で二番目がディズニーランドだ(シーもいいがランドの方がより好きだ)。憂き世を忘れられる。
京都の方はおじさまが連れて行ってくれたことが何度かある。
しかしディズニーランドはまあ難しい。
いくつになってもこんなにディズニーランドが好きなのに。
若者同士なら普通のデート先だろうに。
ずっと前、私があまりに行きたそうにしてたからだろう、一度だけ付き合ってくれたおじさまがいた。
しかし園内では始終、苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。
なんかほんとすみません、と思った。
すごく楽しかったけど。
*「付き合ってください」みたいなことを言われたことがないとか
そういうことを言ったとか言われたとかいう話を聞くと、そうだよな‥‥普通そういうことを言うものなのだよな、と気づく。
私は、自慢じゃないが好きな相手から「付き合ってください」と言われたことが一度も無い。(おじさんを好きになるようになってから。学生時代は別)
「好きだよ」とは言われても「だから付き合いましょう」が無い。
いつのまにか始まる‥‥というか「これは始まっているという解釈でいいのだろうか」と自分で判断しなくてはならず、いつも不安な状態だ。
*たとえば体位とか
いきなりこんな話で何なのだが、対面座位をしたことがない。
noteやちょっとエロい小説を読んでいると対面座位が出てくることが割とあるのだが、最初は「え、それどういうやつ?」と思って検索したぐらいだ。
そして「ああ、みんなはそういうことをしているのだな」と気づいた。
たまたまする機会が無かっただけなのか、相手がおじさんだからなのか‥‥。
あれ、腰に悪そうだもんな。
いや別にぜひしたいというわけじゃないのだが、対面座位って相手が近く感じられて幸せそうだなと思って‥‥。
◇
うだうだ書いてしまったが、何が言いたいかというと、
「うらやましい」
ということだ。
でもいくら不安でも、一緒にできないことがあっても、私にとっておじさんって本当に素敵なのだ。
心からお慕いしております。